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大庵のそば、小丼

のんびりとくつろぎながら上等なそばを食べたい。
そう思って「大庵」にくる。

開店前にちょっと並んで一番乗り。気持ちのいいカウンターに座って外の景色をながめる。
町はすっかりホリデー気分で、町行く人もどこかウキウキしているように見えてニッコリ。
10名ほどが座れる大きなカウンター。

隣との感覚もゆったりとられ奥行きもある。ひとりで来ても豊かな気持ちで食事ができる場所がある店ってありがたい。
もちろんふたりで並んで通りを見ながらぼんやり食事をするのもたのしい。タナカくんとふたりでくるといつもこの席。なつかしい。そば茶と揚げたそばをお供に料理を待ちます。

たのんだのは天丼セット。
ランチ限定の手軽な値段の商品で、はじめて食べる。
「腹ペコ仕様」に思えてずっと気が引けてたけど今日は腹ペコでござんしたゆえ。

おまたせしましたとお膳が置かれる。
せいろ一枚、天丼、漬物、そして汁。
うな丼とそばのセットもそうなのだけどそばが必ず手前に置かれるのです。そばが主役の店だから…、ということなのでしょう。
ただ手前にご飯や汁があったほうが食べやすく、配膳し直しそれから食べる。

それにしても天丼が上品サイズ。丼じゃなく茶碗に盛られているんですね。エビにかぼちゃに茄子のっ天ぷらが主役の天丼っていう感じ。

エビが上等。むっちりしていて歯応えムチュン。甘くて香り華やかで薄づき衣がその持ち味を引き立てる。甘すぎないタレもほどよい。
オキニイリ。
そしてそば。

好きなそばです。みずみずしい。角がキリッと立っていて歯応えがよく香りもふくよか。
唇に舌、前歯、奥歯に喉と口のあるとあらゆる場所をくすぐりお腹の中へと消えていく、にぎやかにしてすがすがしきことにウットリします。

キリッと辛めのタレもおいしく、そば湯で割れば出汁の風味が湧き上がってくる。
お腹以上に気持ちが満ちるオゴチソウ。


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