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お正月
日の出にあわせて目を覚まし、両手を清めて柏手を打つ。
大好きだった弁松の甘煮をタナカくんにお供えし、雑煮を作る。
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味噌は白味噌。
お餅は丸餅。
讃岐の味噌をとりよせました。麹たっぷりの米味噌で甘くて塩はおだやか。
京都の西京味噌に比べると甘みよりもうま味に傾く仕上がりで、たっぷり使ってもくどくないのが雑煮にぴったり。
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田舎ではつきたての餅を丸めて水に浸したものを使うのだけど、さすがにそれは手に入らない。
それで一晩、お餅を水に漬け込んで軽くふやけたものを炊く。
味噌の汁は汁だけで炊き、餅は出汁でやわらかくする。事前に炊いた大根をお椀に入れて台として、上にお餅をのせてそこにニンジン、しいたけ、いんげん豆を煮たのを貼る。かまぼこ飾って汁を注いで出来上がり。
これがなくちゃ年はあけないおゴチソウ。ちなみにニンジン、しいたけ、いんげん豆はタナカくんの甘煮を拝借。おすそ分け。
今年はおせちを買いました。
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赤坂有識のおせちで、吹き寄せ風の盛り付けのほどよき内容、ほどよき分量。
二年前にも同じところで同じおせちを買いました。おひとりさまからおふたりさま用という商品で、けれどほとんどのものが2個づつ詰め込まれていることに、そのときちょっとさみしく思った。
今年は空の向こうの人の分まで用意してくれてありがとう…、って思うことにする。
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特に好きなものは別に買ってきた。
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千枚漬けに数の子、それからかまぼこなどをお皿に盛って炊きたてご飯と一緒に食べる。テーブルの上にずっと料理があるのって正月ならでは。おゴチソウ。
おやつに四ツ谷の「たい焼きわかば」のあんこであんバタートーストを作って食べる。
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1週間はもつというので5日前に買った。
賞味期限はたしかに1週間から10日らしくて、けれどちょっとづつ食べてたらもう3分の1くらいしか残ってないのネ。
危険物質(笑)。
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食パンにバターを乗せてトースターで焼き、そこにあんこを乗せて味わう。
わかばのあんこは塩がおいしい。
冷蔵庫の中で冷たいくなったあんこがトーストの上で徐々に温度をあげていき、温かくなるにしたがって甘みが深くなっていく。
カサカサのパンにぽってりとろけるあんこ。バターのコクや風味が混じって切なくなるほどおいしいの。ホットミルクと一緒に食べた。
お正月の夜はすき焼きというのがサカキ家流。ストゥブ鍋でおしゃれに装う。
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白菜と焼き豆腐、ネギを並べて割り下注いでクツクツまず炊く。水分がほどよく出てきたところで春菊をいれ卓上IHヒーターの上で再びクツクツ。牛肉を炊きながらハフハフ食べる。
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生卵は使わず、山椒の粉をふりかけ甘みをおだやかにしてハフハフ。途中で葛をくわえて煮込む。煮汁をたっぷり吸い込んだ葛はなめらか。おゴチソウ。
〆はおうどん。
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鍋の中を一旦キレイに取り除き煮汁に出汁を加えてそこでうどんを煮込んでく。グツグツグツグツ、汁をうどんを飲み込ませるように煮込んだところにナルトとネギをたっぷり入れて出来上がり。
おいしいうえにあったまる。年がめでたく明けました。