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食べるト楽しむ

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ホガラカな視点で食べるということを考えてみる。 ホガラカな視点でたのしむということを考えてみたら、こんなたのしいコンテンツになりました。 例えば「食べログ」のたのしみ方。例えば「…
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ベイクドポテトの思い出

CHACO あめみやのハンバーグを食べながら父のことを思い出した。 ベイクドポテトを食べるにあたって一家言がある人で、一緒に食べるときには父の流儀で食べないとすぐにご機嫌ななめになった。 皮も一緒に食べなくちゃいけないんです。 ナイフで切ってフォークで食べる。 スプーンで掘るようにして食べるのは邪道だというし、潰してしまったらマッシュポテトじゃないかともいう。 たしかにそう言われればその通り。 ステーキがただおいしい店は肉屋も同然。 ベークドポテトがおいしくてはじめてステー

雑煮の専門店ができました

雑煮専門店が銀座にできた…、というのできてみた。 「銀座もちふじ」という店で、歌舞伎座の近くといえばわかりやすいですか。 銀座3丁目の昭和通りを超えたところのビルの地下。 雑煮専門なのは昼だけで、夜は居酒屋営業になるみたい。いわゆる二毛作的なお店でござった。 つきたての餅。 味噌の種類を選べる上に具材もカスタマイズできるというのが売りで、テーブルの上のタブレット端末を使って自分の食べたい雑煮を仕立てられるのは面白い。 白味噌仕立ての雑煮をもらった。 餅は一個。つき立

アメリカの豚はアメリカ人が食べるように食べる②

国産の豚の味を評価するとき。 常套句として使われるのが「力強いうま味と風味」というフレーズ。 たしかに銘柄豚を食べ比べると、荒々しくてたくましい味のものがあったり、やさしいけれどうま味にコクがあったりするものと味の傾向は異なれど、存在感のある味わいにウットリさせられることとなる。 ところがアメリカの料理評論を読み込むと豚肉を褒める際の言葉の多くが「繊細でクセがない」というもの。 ミルキーな味。 優雅で上品な風味と表されることもままあって、つまり日本とアメリカの豚肉はまるで違

アメリカの豚はアメリカ人が食べるように食べる①

飲食店の料理の差別化。 いくつかの方法があるでしょう。 「おいしい」といいうことだけではお客さまは納得しない。 だから「おいしい理由」や「おいしい以外の特徴」をアピールすることで差別化とする。 値段 素材 味付け 調理技術 が代表的な差別化のポイントじゃないかなぁ…。 料理の種類によって刺さるものもあれば、そこを推してもお客さまに伝わらものもある。 例えばとんかつの店で味付けといえば調味料を使って食べ手が自由にととのえて食べるものだから、差別化につながりづらい。 塩

テフロン鍋で肉を上手に焼く方法

慣れれば鉄のフライパンがいいんでしょうネ。 熱伝導率が高くて表面温度を自由自在にコントロールできる上、耐久性にもすぐれてる。 テフロンが剥げてしまうなんてことを気にすることもないから、超高温で料理を作る中国料理は鉄の中華鍋があってこそ。 しかも鉄のお玉を叩きつけようが、へらで表面を引っかこうがへこたれないから荒っぽく扱えるから忙しい店にもぴったりなのでしょう。 ただ、中華料理の厨房で中華鍋を使っているところを見るとおそろしいほど油を使う。 大きなお玉で油をすくって中華鍋に入

自由な食べ方、ワタシの食べ方、そして松茸

あと1週間でハロウィンです。 今の時期のタナカくんは仮装の準備に大忙し。 外食する時間ももったいないって、家にこもって創作活動に勤しんでいた。 秋の外食の主役のひとつがキノコ。 おまかせ料理やコースを食べると和洋中を問わず必ずキノコが混じる。 タナカくんはキノコ嫌いだったから、料理の内容を事前に聞いて料理の変更を申し出たりしてました。 キノコを代わりに食べてあげることでなんとかなることもあったけど、キノコの香りや味が料理に混じってキノコを抜いてもダメな料理も結構あった。

自分好みの味をたのしむ食べ方

料理を眼の前にしてどうたのしむのか…。 食べ手をよろこばせようとさまざまな企みを潜ませる調理人の術中にはまることもたのしい。 難解な料理の謎解きをするように味わうのもたのしいし、ありきたりの料理を自分ならでは食べ方でカスタマイズするようにたのしむのもいい。 自分好みをたのしみやすい料理もあれば、自由に食べさせてくれぬ料理もあったりして、料理の世界はおもしろい。 今日はたのしい食べ方の話をしましょう。 ほんのちょっとひねりと遊び心が日々の食事をたのしくさせるおいしいヒント

やわらかい泡、硬い泡

今日食べたマシュマロみたいなムチムチスフレ。 ずっと器の上で縮まず膨れたままでいる姿に、まるで怒ったみたいなスフレだなぁ…、って思って食べた。 スフレは泡を食べる食べ物。 泡は儚く、儚いからこそ泡はおいしい。 お祝いの飲み物といえばシャンパンですよね。 あれも泡。 栓を抜きグラスに注いだ瞬間が最もおいしく、泡の感触や味わいはたちまち壊れる。 そういう泡の儚さに「この幸せがずっと続けばいいのに」と思いを馳せさせる役目があるんじゃないのかなぁ_。 そういえばメレンゲにゼラチン

薄いコーヒー薄い紅茶、薄めたジュース、そして出汁

ドリンクバーのコーヒーは驚くほどにおいしくなった。 だって豆を挽くところからはじまるんだものね。 ジャーって挽いた豆にお湯を注いで蒸らしながらじっくり落とす。 エスプレッソはブーンってモーターの音と一緒にゆっくり、ポタポタエスプレッソが落ちてきてカップを満たしていく様子がたのしい。 ボタンひとつ押すだけで、お店ごっこをしているようなkな時になるのがおもしろくってしょうがない。 味は二の次。 落としたてってことに至上の価値を感じる。 そしてボクがドリンクバーのコーヒーが好きな

最近、鴨ラーメンの店が目立ちます。 ラーメン業界は過当競争がずっと続く業界で、なにを差別化にしようかとみんな必死になっている。 特にスープでいかに特徴をつけるかは生き死にをかけた工夫しどころ。 醤油鶏ガラに豚骨スープ、煮干し、鯛だし、エビ殻スープと続いてやってきたのが鴨スープ。 先鞭をつけたのが「鴨to葱」ってお店。 先日、新宿駅ナカのフードホールにもお店ができて1日ずっと行列状態。 鴨ってずっと地味な食材と思われてたのになんで一躍人気者になったんだろう…、って書き始めた

抹茶プリンに煎茶のsaten

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フレンチトーストカレイドスコープ②

フレンチトーストのことを書いていたら、父のことを思い出しました。 出張することを仕事にしていたような人で、ホテル選びの基準がちょっと変わってた。 朝食がおいしいホテル。 和朝食ではなくアメリカンブレックファスト。 目玉焼きにハム、付け合わせはハッシュブラウンで軽めに焼いたトースト、そしてグレープフルーツジュースにコーヒー。 糖尿病を患ってからグレープフルーツがオレンジジュースに変わったけれど、搾りたてであることが必須というのは変わらなかった。 日本の景気が悪くなってそうい

フレンチトーストカレイドスコープ①

フレンチトーストが注目されたことがありました。 パンケーキブームがひと段落して次のブームを何で作ってやろうかという食の業界とメディアが目をつけ、よってたかってバズらせようとしたけれどパンケーキほど盛り上がることなく今に至る…、という感じ。 理由はいろいろ考えられる。 中でも「海外にフレンチトーストの有名店がなかった」というところが大きかったに違いない。 パンケーキブームの黎明期。 「エッグスンシングス」が原宿の日本一号店で大行列を作り続けて「パンケーキ=ハワイ」ってイメージ

じゃがいも

先日、「ボクが好きな味噌汁の実はじゃがいも」という内容の記事を書きました。 その中で一番人気の味噌汁の実と言われる豆腐は形状で味の印象がまるで違ってオモシロイというようなことも書いた。 そういえばジャガイモも形状や状態でまるで違った食べ物になるんだよな…、と思って今日はそういう話をしてみましょう。 ちなみにジャガイモをどう表記しようかとちょっと悩んだ。 じゃがいも。 じゃが芋。 行政の資料には「馬鈴薯」と表記されるジャガイモは、もともとオランダ船にのせられてジャワのジャガ