福祉行財政の動向(地方) 社会福祉士国家試験 福祉行財政と福祉計画
今回は、地方財政について見ていきます。
国の財源を管轄しているのは、財務省です。では、地方の財源を管轄しているのはどこでしょうか。
そう、総務省になります。
地方の財源は、総務省の管轄で、毎年、地方財政白書という形で報告がなされています。この地方財政白書において、その年度の決算などが報告されています。総務省のホームページでも大変わかりやすく、この地方財政白書の特にビジュアル版が見やすくなっております。最新は、令和3年版の地方財政白書ですが、決算としては令和元年度、つまり2019年度について報告がされています。以下では、この最新版でデータを確認していきます。
行政サービスを提供する、その中心となるところは、どこの行政でしたでしょうか。もっと絞ると、都道府県ですか、市町村ですか。
そう、市町村です。住民の身近な行政を幅広く行う役割を担っているのは、市町村でしたよね。
以前に、市町村を都道府県がサポートするというのが基本的な役割分担だということを学びました。ですから、住民にとっては、地方の財政が大事になります。財政はお金の裏付けですからね。
で、2019年度決算の国と地方の税収の割合を見ますと、国税が60.1%、地方税が39.9%の割合になっています。つまり、だいたい国が3、地方が2の割合になっています。国税の方が大きいです。
一方、歳出は、行政サービスの提供の中心は地方ですから、歳出の割合は、地方の方が多くなっています。歳出の割合としては、国が2、地方が3になっています。税収と歳出とでは、その割合が逆転しています。
ということは、地方は税金の財源が少ないところで多くの歳出を負担しなければならないということが言えます。これは、要するに、お金が足りない状況だということを示しています。
では、地方は、この足りない分をどうしているのでしょうか。
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?