【第二十四話】突如、小道具職人と化す|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う
うう、く、くやしい・・・
このままではいかん、どげんかせんとかん・・・
散々な目にあった下稽古翌日。
しがない勤め人、仕事中も昨日の不出来なあれやこれやが頭をぐるぐる。
課題が多すぎる。
何から手をつけたらええんや?
・・・
うむ、まずはアレからだ。
まるでできなくて、ひどかったからな。
とにかくまずは・・・
棒の長さに慣れないといかん!<藤の“枝“ですよ
↓
構想10分、制作時間10分、材料費ゼロでかんせーい!
・枝=つっぱり棒で適切な長さを確保。
・藤の葉=緑色の小さい手ぬぐい。屏風たたみにすることでヒラヒラとそれっぽく。
・藤の花=そのものズバリ、"いとし藤"の手ぬぐいを持っていたよ!長さもあるし、ええや〜ん。
どや、この要素分析からの見事な再構築。
家でのおさらいはこれで充分やろ。
数日後。
むーん、なんだかなー。
要件は満たしてるけど、ビンボ臭いなこれ。
妖怪ウォッチとかニンテンドースイッチを買ってもらえなくて、
段ボールで自作して遊んでいるこどものようだ。
こどもならほほえましい光景であるが、
四十路も後半の当方・・・(以下涙で滲んで読めない)
そもそも棒もなぁ、もっと太かったなぁ、もっと重かったなぁ・・・
(藤の“枝”やで…“棒“ちゃうで)
もはや手段と目的がすり替わりつつある私は、
在宅勤務日の昼休みを潰してホームセンターへ。<在宅勤務の目的も、もはや危うい
※緊急事態宣言下、不要不急の外出は当時ご法度であった。
うむ、この太さ・・・
ちょうどいい感じの棒、発見!
そして困った時の楽天市場。
いい感じの藤の造花を安価で発見。
「気分として、ちょっと花ついてたらええやろ」
と、色違いで2本購入。
↓
「うーん、もっとわさーっとさせたい!」
↓
3本追加。ヤマイコウコウ・・・
材料はそろった。
あとは組み立てるだけである。
あかん、あれが足りん!
↓
近所のドラッグストアをのぞく。
うーん、ここブサイクだからなんかで隠したい・・・
↓
近所の100均へかけこむ。
なかなか予定通りにはいかないものである。
棒と藤を合体させるのに試行錯誤の末、かんせーい!
どや、かなり近くない?
しかも、お稽古場に持っていくときの持ち運びを考慮して、
枝と花はバラせるように組み立て式にしたで。
おっしょはんにも
「よぉつくっなぁ!すごいすごい!」
とお褒めいただき、満足まんぞく。
( ´ー`)。оO(ほんまはがんばるの、そこちゃうねんけどな・・・)<おっしょはん心の声
ということで小道具の悩みは解消したが、新たな問題が発生したのである。
(続く)