【第十四話】春のおさらい会、当日はおしたくから楽しい|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う
さて前話で大阪へと旅立った私。
お宿に無事とうちゃーく。
わーい、ひとりでのんびりのびのびだー!
※新型なんちゃらを機に、6年ほど単身赴任が続いていた夫がふと人生を見つめ直してしまった結果、転職して家に戻ってきてしまったのだ。私の放牧も終了。仕事帰りに歌舞伎の幕見とか、お勉強とか、ひとり呑みにいったり楽しかったな〜。ねえ、何で毎日帰ってくるの?私の自由時間はどこいっちゃったのー?!
食事、風呂、トイレ、テレビ。100パーセント私のタイミングでオッケーなひと夜を満喫し、さておさらい会(以降はるの会)当日。
↓姉弟子Yさん目線の当日レポートはこちら
いいとこ見せる日ですからね、
1.髪型
2.化粧
3.衣装
きばりまっせー!
まずは衣装。
かねがね「こんなんいつ着るんや?」と謎だった訪問者を着るチャーンス!
裾模様がぐるっとつながってるやつね。
帯はもちろん袋帯、長くて豪華なやつ<説明が雑
帯揚は白地に赤の輪出し(お花の絞り模様)が上方好み。または淡い明るい色のものを。
帯締も普段使わない(使えない)ええやつの出番。
これらをざっと身にまとい、あら隠しの長コートをはおり、向かうはおっしょはん行きつけの髪結いさん。
えーと、ここかな?
おはようございまーす。
まずはおっしょはんにご挨拶。
空いている席に座ると、カーラーを巻かれ、逆毛を立てられ、あっという間に大阪好みのまあるく大きなあたまのかんせーい!
次はなんだ、顔だ。
わーん、普段化粧しないなから何からどうしていいかわからーん。
が、見よう見まね、時におっしょはんや姉弟子さんにご指導お手伝いをいただき、
さらにお仕事でばっちりフルメイク技術を身につけた妹弟子Mちゃんにつけまつげをつけてもらうなどして、
「あんた誰?」
なお顔にへんしーん!
さて、一段落・・・
してなーい!
ほぼ巻きつけただけのきものを、きれいに着直さねば。
裾の長さは床スレスレに。いつもより長めだね。
褄(裾の角っこのヒラヒラしてるところ)は普段より上げて。
こうしないと、腰を落としたときに裾のヒラヒラが床につく→踏む→コケる(のだと思う)。
帯の前幅、もうちょっと広いほうがええなぁ。
せっかくええのんなんやから、もっとガーッと出さな!やり直そ。
おっしょはんのご指導が入る。
帯を解き、これくらいかなー、と幅を折り直してみると
いや、もっと広くてええよ〜
これくらいガッ、っと!
えええええー、こんなにー?!
おっしょはんがガバッと折ったのは
帯幅の三分の二くらいの幅であった。
普通は帯幅30センチの半分に折るので、5センチも広い!
ほら、これくらい幅あったほうが見栄えがええやろ。
とおっしゃる。
↑左は標準の幅より気持ち広め、右はおっしょはんにガッツリやり直してもらった幅。違いがお分かりいただけるだろうか?(写真がこれしかないんだすまん。かなり違うんだよ・・・)
ちなみに折って輪になったほうを上にして巻く。
(端のビラビラしてるほうを下にする)
これも一般的な着付けとは違うところ。
日本舞踊では扇を帯の一巻き目と二巻き目の間にさすので、輪(折り目)が上のほうが出し入れがしやすいのだ。
まあこんな感じでおしたくは完了。
さて、会場へ移動〜
タクシーを呼んだり、大阪稽古場のかたが運転する車に乗せていただいたりして、目指すは天王寺の天王殿。
モノモノシイ名前やな、どんなとこやろ?<土地鑑ほぼなし
(続く)
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