【江東区】「不妊・不育に悩む方や流産・死産した方への支援について」江東区に聞きました
みなさん、こんにちは!
助産師・看護師・一児の母
がん・不妊治療経験者
江東区議会議員の酒井なつみです。
江東区議会の2月議会の取り組みを、順にご報告します!
本日のテーマ
本日のテーマは「不妊・不育に悩む方や流産・死産した方への支援について」です。
当事者の割合
日本では、不妊を心配したことがある夫婦は35%で、夫婦全体の約2.9組に1組の割合になります。また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は18.2%で、夫婦全体の約5.5組に1組の割合になります。
区からの支援について
精神的なケア
不妊・不育に悩む方への支援及び流産・死産を経験した方のために、ピアサポートによるお話会やグリーフケアを含む相談事業を本区でも導入すべきと考えています。
不妊・流産・死産した方へのピアサポートについて、東京23区では中野区、港区が実施しており、来年度からは新宿区、渋谷区でも開始予定とのことです。区の見解を伺います。
A. 不妊や流産、死産を経験した方の相談については、個別相談は保健相談所の地区担当保健師が、専門的な相談については、東京都の不妊・不育ホットラインをご案内しているところです。東京都のホットラインでは、医師のスーパーバイズの下、専門研修を受けたピアカウンセラーが対応しており、検査や治療の相談にも対応できるため、現時点では考えておりません。
専門家の活用
各区で委託事業を実施しているNPO法人Fineという法人が区内にあり、知識とスキルを持った不妊ピアカウンセラーが活躍しておられます。
また厚労省が養成した不妊症・不育症ピアサポーターの活用も可能だと考えます。保健師もおりますし、多様な人材が区内にもいますので、ぜひ相談事業を開始していただきたいです。
区でできること
現在、相談先について適切に案内している状況ではないと考えます。(相談を受けているという記載がないことから)
区の見解を伺います。
A. 区では、「不妊や不育に関する専門的なご相談」とするページを作成し、専門的な相談したい方に、東京都の不妊・不育ホットラインをご案内しているところです。なお、個別の相談については、保健相談所でお受けし、必要に応じて東京都の不妊不育ホットラインや専門医療機関などへご紹介します。
流産・死産した方への案内について、当事者からは丁寧な案内が求められていることから、区のホームページに掲載することを求めてきました。
23区では6区(板橋、台東、中野、墨田、葛飾、練馬)が既に掲載をしており、その数は増えてきています。
区の見解を伺います。
A. 今後はホームページへの掲載も考えてまいります。
産後ケアの提供
流産・死産をした方の産後ケアについては、厚労省は「アウトリーチ型支援」が有効と説明しており、適切な配慮のためにも改めて創設が必要です。(区ではアウトリーチ型産後ケアを実施していないため)
※伴走型支援による出産・子育て応援交付金事業においても、庁内で死産届に関する情報共有を図り、流産や死産を経験した女性等に対する心理社会的な支援が適切に行われるようお願いしています。
動画でもご覧いただけます。
(江東区議会インターネット中継にリンク※8:19からが該当します)
おわりに
不妊・不育に悩む方や流産・死産した方への支援については、政治家になってからずっと取り組み続けているテーマです。
私は看護師・助産師として12年間産婦人科で勤務し、当事者の女性たちをケアしてきました。不妊治療を受け、流産や死産をする方は、近年増えていますし、また、がん治療によって不妊治療が必要な身体になったことで私も当事者になし、より一層患者支援の必要性を痛感しました。
まだまだできることはあるものの、「東京都がやっているから予定していません。」また「個別に相談があれば対応しています」、という姿勢にはとてもがっかりしてしまいます。
産後ケアについても法的には対象となるものの、使いやすい制度にはなっていません。健康部から「サービスの利用実績はないようだ」と聞いています。
引き続き、不妊・不育に悩む方や、流産・死産した方への支援策の充実に向け、取り組みます。
声をお寄せください。