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熊本地震、豪雨災害 被災地の視察報告
熊本県にて、熊本地震の復興状況、昨年の豪雨災害からの復興状況等を視察してきました。
一見するとあまり気が付きませんが、よくよく話を聞いてみると自治体によってずいぶんと差があるという印象が強く残りました。
災害時には、特に首長の能力に加え、組織の総合力が表れてきていると思います。
例えば、豪雨災害後、大量に出た災害ごみの受け入れ場所が遠く離れた場所に一か所しかなく、ごみ捨てが一日がかりになるとしたら、仮置きの集積所を作り、応急の改善をするのがよくあるパターンです。しかし今回視察した中には、その対応ができなかったという自治体がありました。
聞くと、この自治体には有事に使うべく用意してある「財政調整基金積立金」がほとんどなかったそうです。同様の財政規模の自治体では、15~17億円積んであるのが相場だそうです。
地震、コロナでの臨時出費があったことは想像がつきますが、それでも積み立てをしている自治体がある一方で、底が尽きている自治体もある。それでもいざというとき、「何とか解決するためにどうしたらいいか考え、行動できるかどうか」に実力差が出てくるのだと、痛感しました。
また、復興に向けての体制づくりのスピード感、計画の深さなどにも差が出ていると感じざるを得ませんでした。
現地の方にお話を伺ったところ、豪雨災害後の圃場整備で何町歩にもわたり数多くのダンプカーが土砂を運び出し、畝やあぜ道を整備したところで、地域全体を遊水池にする計画があると聞かされたというのです。
この方は、今年度中に自宅や農機具を入れる倉庫などの建設を終えなければ農水省から補助金が出ないと言われ、急ピッチで建設を進めていました。しかし“寝耳に水”の遊水池計画により、建設を中止するように言われたそうです。
もっと早くから遊水池計画をまとめてくれていたなら・・・と思わずにはいられません。今後、国交省関連部局と農水関連部局で調整してもらい、住民が困る状況は解決してもらわなければならないと思っていますが、縦割りを象徴する話にほかなりません。
災害などは、平時と異なり地力が求められると思います。ルーティンの手順が決まっている仕事のやり方ではおさまらないのです。日頃から有事の想定も怠ることなく務めていくことの重要性を再認識しました。
関連記事はこちらから→熊本地震後の宇土市訪問 熊本県豪雨災害の被災地訪問
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また、今年に入って農水省の助成により、田んぼや畑の整地がされたとのこと。まだ農作物を栽培するには川の砂が取り切れていないた農家の方がご苦労されていました。
農家の方が、指さす先に見える茶色い建物の屋根のほとんどが水に浸かっていたのを高台から見たときの驚きを語ってくれました。また近所の方が逃げ遅れ、屋根の上によじ登って救助を待っていたが、流木やがれきが住宅にあたり、そのたびに建物が揺れていつ壊れるかと思うと生きた心地がしなかったと言っていましたよ、と話してくれました。↓
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山と川に挟まれたこの地域は、雨のときには山側から水が流れてくるため、常に水門が解放されています。豪雨のときも山側から水が流れてくるかと思ったら、反対側にある川から流れてきてびっくりしたと農家の方が話してくれました。川はこの水路よりもずっと下にありますが、このときはここを乗り越えて水が流れ込み、2階の天井を超えるところまで水がきたわけです。↓
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地元の方々が少しずつ「これから」のアクションを起こし始めた矢先に、当該地が遊水地になるかもしれないという話が持ち上がり、地域の方々が混乱しているそうです。
この件は東京に戻ってから確認します。
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