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20代の頃の僕が小説家でもデザイナーでもなく起業家を選んだのは、期待値が高いと思ったからだ

天才を見て「自分にない才能」を確認する。
苦しくても有限の人生と向き合うためにはプロセスとして欠かせないことだと思う。
カネコアヤノやONE OK ROCKのステージを見上げることは、僕にとってそういう意味を持つ。

白状すると、20代の頃の僕が小説家でもなくデザイナーでもなくミュージシャンでもなく起業家を選んだのは、一番期待値が高いと思ったからだ。
文才は今でも宿っていると信じている。デザインスキルもその辺の食っていけているだけのフリーランスより遥かにある。音楽は、並以下だった。
けれどそれらの分野の需給バランスや成熟度合いを考えたときに、僕には一度きりの人生をベットすることができなかった。
ちょうどビットコインのマイニングのように各分野の未開拓地は限られていて、成熟するほど、奥まった新境地を開拓するコストは高くつく。
片や起業することは難しくない。副業なしに食えているミュージシャンは1,000人そこそこと言われているのに対して、日本国内には280万社くらいの法人があって、うち4,000社近くが上場している。中でもIT分野はまだ若く、地図には余白が目立つ。
少なくとも当時の僕はそのように考えていたし、振り返って後悔しているわけでもない。

もちろん起業することと未開拓地に到達することの間には、カラオケと武道館ライブくらいの隔たりがある。声を枯らしたところで帳尻が合うものではない。けれど少なくともマイクは回ってくる。
かれこれあって僕はファッション領域にAIを持ち込む事業に辿り着いた。画像解析技術をベースにトレンドを分析したり、通販サイトに接客に代わる機能を提供したりしている。
今やピュアなITやAIのサービスは出尽くしつつあって、特定ドメインとの重なりの中で新たな地形が浮かび上がってくる現象が世界中で起きている。音楽においても、デザインにおいても、生物学においても、テクノロジーと交わることで、存在を想定されていなかったような新大陸や量子力学的な「多世界」が次々と。
僕は自分の「ない才能」を認めながら、それでも息吹くことのできるニッチを求めてさまよってきた。
でも「需要に応えること」を目的化したくはないともずっと思ってきた。多くの小説家やミュージシャンや研究者が目指すように、フロンティアを切り拓きたい。あくまでも冒険の途中でくたばらないためのベースキャンプとして市場を位置づけたい。2022年も前に進みたい。それ以上の贅沢を僕は知らないのだから。

集合体として才能を発芽させられるように、多世界を見つけられるように、仲間を募集しています。

  1. 「研究目的でファッションに関するデータを使いたい」という研究者や学生、アーティストには無償で提供します。

  2. 業務委託や正社員としてデータサイエンスを推し進めてくれるメンバーが足りていません。手つかずの構想がたくさんあります。

  3. 海外の企業にプロダクトを提供するために代理販売を担ってくれる個人・法人を募集しています。サービス紹介や導入支援は、英語で良ければ僕が責任持ってやります。

DMください。Zoomかお茶しましょう。

僕個人はと言うとここ最近、分野と分野の交差点にある(かもしれない)ニッチを見落とさないためにも睡眠時間を削ってアートとサイエンスをあらゆるアプローチで学びなおしている。世の中には眼を見張ることが本当にたくさんある。
上述の「期待値を高める考え方」に基づけば、現時点で僕が18歳だったら、自然科学の研究者を目指していると思う。そういう世代のシフトを息子に託すことを含めて、自分に配られた才能を信じて連綿と続けていきたいと思う。モヤの向こう側に、確かに陸地が見えているような気がしている。


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  • Special Thanks: FACiliTY  ※サロンがなければ今の考えに立ち戻るのにもっともっと時間がかかったと思う。

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