はちがつむいか、ここのか
盲信的な正義感が炸裂した
そのたった一瞬が
誰かにとっての世界を
永遠とも思える悪夢に創り変えてしまうことがある
愛する『何か』のため
エゴとエゴとエゴとエゴとエゴが膨れ上がった
それは決して
普遍的な正義になんてなれやしない
折り合いのつけられなくなったエゴは
本質も知らないまま
勝手に顔を作り上げた無数の敵へと牙をむいた
何もかもが消え去って
自らの体すら崩れかけ
呆然と立ち尽くす虚ろな少女が
罪の意識に苛まれなければいけない理由が
一体
どこにあったのだろうか
無関心に逃げるよりも
『仕方がなかった』の一言で片づけ
未来の話に目を向けさせることの方が
質が悪いと思うのも
結局僕の
エゴなんだろうか
いつまでも過去のことに囚われているように見えるのは
おんなじ空を見上げているのに
立っている場所がまるで違うから
たったそれだけの違いで
見るに堪えない惨劇が繰り返される
きっと
いつまでも
変わらない
あの日少年が見上げた日の入り前の静かな空と
あの日
少女を照らした何気ない朝陽をかかげた空は
同じものだったはずなのに
少女の頭上には
見慣れた機影がゆうらゆうらと舞っていて
それぞれが抱く正義が普遍的なものになれないのと同じように
それぞれが抱く『罪と罰』もまた
普遍的なものにはなれやしない
あんたにはこんな罪を
お前にはこんな罰を
それすらも
エゴなのだから
それぞれの正義も罪も罰も
何もかもが入り混じりひん曲がり
混沌とするこの世界で
最大多数の最大幸福を飲み込めない僕は
もしかしたら随分と
クソガキなのかもしれない
でも、だったらなんだってんだ
大人にならなきゃいけない部分があるように
ガキのままでいた方がいい部分だってあるのだとしたら
僕はずっとクソガキのまま
こうして叫んでやるよ
そしたらいつかは
ほんとのほんとに
あいつらと折り合いがつけられる日が
来るかもしれないしね
僕は26歳で、広島・長崎からも遠く離れた地で生まれ育ったけれど、自分なりに原爆に対する素直な気持ちを書かせていただきました