逆子治療における治療の順番について

いろいろ勉強する中で「鍼灸をすればお腹が張りにくくなるけど、そのメカニズムはなんだろう?」と改めて疑問を持ったので、子宮の収縮と弛緩のメカニズムを調べ直しました。

その中に、逆子治療における刺激の順番に影響が出る文献があったので、それを共有し考察します。

子宮の神経性調節を調べた研究

調べている中で1番わかりやすかった研究は以下の研究です。
この研究の中で体性感覚刺激による子宮機能の影響を調べられています。

それを要約すると以下の4点が挙げられます。

  1. 足底部と会陰部に侵害性の鍼刺激を加えると子宮血流量は増加し、会陰部は非侵害性のブラシの刺激でも血流が増加する。

  2. 第1頚椎の高さで脊髄を切断したラットでは、脳との連絡を立ったことで子宮の血流と収縮の反応が増強する。この場合は、中枢神経を傷つけていない時にはみられなかった足裏の鍼による侵害刺激によっても子宮収縮が起こる。

  3. 1と2の結果から、体性感覚刺激による子宮の血流増加と子宮収縮は強い分節性脊髄反射機構により調節されるが、中枢神経無傷時は脳からの抑制を受け分節性脊髄反射が抑えられていると考えられる。

他にも色々と書いてありましたが、今回言いたいことはこれらのことなので要約しました。詳しくは文献を読んでみてください。逆子だけでなく、婦人科に関わる人は知っておくべき研究です。
題名をGoogleで検索するとPDFも出てきます。noteの仕様のせいかリンクを貼れないので、気になる方は調べてみてください。

逆子治療の順番

逆子治療をする時は、頭・首・顔周りの刺激をしてから至陰や三陰交のツボの刺激をするべきです。

脳での抑制がかかっているので、その方が子宮に反射が出やすいと考えられます。

逆子ケアセラピストの資格講座でもお伝えしましたが、基本的には首周りの刺激は有効です。資格講座の時も、僕は至陰を最後に刺激するとお伝えしていましたが、今回お伝えした理由からも、ツボの刺激は首周りの後の方が有効だと考えます。

そして、この反応は足裏と会陰部に限らないはずなので、どんなツボを刺激する時も首周りを刺激してからの方が反射が出やすいのではないかな?と考えられます。

また何かあれば更新します!

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