「言論の不自由香港、そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか」
2022年12月読了
「言論の不自由
香港、そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか」
著者:ジョシュア・ウォン(黄之鋒)
+ジェイソン・Y・ゴー
中里京子 訳 (2020)
一見長い様だけど簡潔に内容を表しているこのタイトルは、
まさにこの本自体の読みやすさを表しているようでもある。
頑張って歴史本を読んだ(前出)のも無駄じゃなかったけど、
この本を読めば大体理解できてしまうんじゃないかと思うぐらい。
香港に起きていることと、中国や世界(日本を含む)の今のこと。
香港のこの世代が行動さぜるを得ない理由がよく分かるし、
この本からまた数年経った香港、なにより日々ニュースに流れる習近平政権の腹の中を覗くような本。
当然香港や中国では発禁になっているこの本が、全世界に向けられている事がよく分かる。
香港のこと、私達日本に向けて多く発信していたのは日本語の堪能なアグネス・チョウ(周庭)が多く、
黄之鋒の姿を見るのは、収監されたり解放されたりという映像、
じっと歯を食いしばって黙っている姿が多かったけど、
雨傘運動の映像に彼がチラリと映っていた姿、
その小さく細い身体は、いまにもイタズラをして舌を出してスキップし出しそうな可愛らしい少年のよう。
でも手にはしっかりマイクロフォンがくっついて、周囲へ声をかけ続けてる。
誰よりも凛々しく勇気のある青年だけど、
どこか愛嬌があって、不器用さにはおかしみもあり、
それを自分で自覚している事も文才に磨きをかけてる。
頭脳明晰、知識の泉の様でありながら、
こんなに親しみやすく読みやすい本を提供してくれる人、
ガンダムが好きで、マーベルの映画が好きで、
獄中ではプレステが出来ないことを悔しがる。
彼のスピーチを広東語でも、英語でも聞き取れない自分を呪うばかり。
彼らは
あの2019の #反送中 の前、2014の #雨傘運動
更に前の2012年に、彼らは行動を起こし、自由を勝ち取っていた。
彼たちは香港の中国返還とほぼ同時に生を受け、
学校教育でジワジワと中国の型にはめられそうだった状況に抗った。
彼らの世代がターゲットになったのは彼らが刃向かったからではなく、その時代に生まれた時から、既に丸め込まれようとしていた世代だった事が理解できる。
でも。どっちの映画だったか…
#BlueIsland憂鬱之島 か #時代革命 に出ていた人物が
「僕たちは時代に選ばれたと人々は言うけど、
僕たちは選ばれたんじゃない、選んだんだ。」
と言っていた。また
「年代問わず皆がこの香港で生きているのに、どうして若者に押し付けるんだ。僕らは次の世代が苦しまない様に行動している」
と言う様な事を言っていた(記憶曖昧)
大人たちはどこに。
と、言いたくもなるけど、心強い大人達も多く行動している事、
大人から小さい子供までが涙を流し彼らに感謝し、心配し、応援していることが書かれていて、胸が熱くなる箇所も多い。
2018には最年少でノーベル平和賞にノミネートされている黄之鋒。
きっと後の世には彼は #キング牧師 や #ガンジー と並んで語られる存在になる。
繰り返し不当に逮捕拘束され続ける事は、
彼はもはや避けられない通過点だと認識している。(不当だが!)
最初の収監時の手記ではガンジーの言葉を胸に起き、
また中国の人権活動家でノーベル平和賞を受賞した #劉暁波 (服役中に死去)や、香港の書店店長 #林栄基 の経験に比べたらなんでもない、とも書いている。
後半には、世界における香港のことを
「炭鉱のカナリア」になぞらえている。
炭鉱にカナリアを連れて行き、カナリアが鳴き止んだ時は危険の印だから皆逃げろ!という話。
カナリアは鳴き続けているか…?いや違う…😣
本当は香港をカナリアにしちゃいけなかったのに、
お金儲けと消費に明け暮れて、ただ享楽しか見ようとしなかった私達は全くもって無罪じゃない。
最近、TVのニュースなどで、今まで気にならなかった言葉が気になる。
外国のニュースを報じた時、国内の問題を報じた時、
アナウンサーやコメンテーターや街中の人が
「よくなって欲しいですね」とか「こうなるようお願いしたいですね」
とか言う時、社会で起きる全ての事は「誰かが動かしている事」と思っている日本の私達に気付くようになった。
「誰か」は「わたし」の集合なので
「こんな事ない様にお願いしたい」って言ってたら絶対良くならないんだな、って、ようやく…その言葉に違和感を持つ様になった。
と、今頃言ってて恥ずかしい中年だけど。
この本の彼らは最初から全てが「じぶんごと」で
この本が語りかけてきてるのは他でもない「わたし」宛てなんだ。
と、最後の章で深く気付くことになります。
グサリと刺さって、これを書いています。
黄之鋒はカナリアじゃない、一人の人間で、
過去の偉人ではない。ずっと生き続けて幸せで自由でいる権利がある。全ての香港人や人間がそうであるように。
誰か一人にでも繋がったらいいな、と思いつつ。
#言論の不自由香港そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか
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#香港加油#黄之鋒#JoshuaWong#JasonYNg
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