【Starlight Destiny#71】名犬ハッピー(4)
ある日のこと、ほろ酔い気分で帰宅した曾祖父は寄り合いの集まりで
財布を落としてしまいました。
翌朝になって気付いた彼は、自分の不注意に落ち込み、
預かっていたお金を落としてしまったことに悔いを抱いていました。
祖父は自転車で近所を探すものの、落とした金はどこにも見つかりませんでした。そして、財布を弁償するべく銀行にお金を下ろしに行こうと準備をしていると、そこへハッピーが曾祖父のところにトコトコと歩いてきました。ハッピーは曾祖父が着ていた着物の匂いを嗅いで、
外に出たがっているようでした。
そして、ハッピーがリードを持ってきて吠え始めました。
母はリードをハッピーにつけ、強く引っ張られて手が痛かったです。
しばらくして、近くの公園の厠まで行くと、
風呂敷に包まれた財布を見つけました。
そして、財布の中身はすべて無事でした。
曾祖父はこの出来事以来、ハッピーを声をかけたり可愛がったりはしませんでしたが、彼を尊敬の眼差しで見るようになりました。
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