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食品の“クセ”を使いこなそう オイスターソース編

こんにちは。せっかく食品というくくりで始めたのに調味料のことしか書けない気がしてきました。自分が自炊狂人過ぎて何が使いづらい食品なのか分かりません。助けて。
そんなわけで今回はオイスターソースについて書いていこうと思います。


オイスターソースはすごく美味しいし、ナンプラーほどクセが強いわけではないのに、なぜかあまり常備されない印象のある調味料です。
前回同様に、まずオイスターソースについて色々な情報をお伝えし、その魅力を存分に理解してもらった後、オイスターソースを使ったおすすめレシピをご紹介したいと思います。

オイスターソースとは

オイスターソースとは、その名前の通りオイスター(牡蠣)の煮汁を煮詰め、塩や砂糖などで味を調整することで作られる調味料です。
特有の濃厚な旨味は発祥の地である中国をはじめ、アジア圏全体で広く愛されており、様々な料理に利用されています。
日本のスーパーでよく売っているのは少量なのにまあまあいい値段するやつが多いのが難点。

結構いい値段する…お高い…

しかしAmazonやエスニック食材店、業務スーパーなんかでは300ml150円ほどの安価なものもあるので、そちらで試すのをおすすめします。

ぼく愛用のタイボーイくん。安くてうまい!おすすめ!

ちなみに、オイスターソースの旨味は貝類に多く含まれるコハク酸という有機酸で、これはグルタミン酸やイノシン酸といった成分とは違って「うま味」とは表記してはいけないのだそうです。(味蕾の旨味受容体が感応するのはアミノ酸と核酸のみであーだこーだ…らしい。)
まあ難しい理屈はさておき、つまるところオイスターソースは貝類旨味凝縮液だということです。
貝の出汁が美味しいのは、みなさんも貝のみそ汁や貝出汁ラーメンなんかでご存知のことと思います。したがってオイスターソースも当然うまい。

ここで話を再びややこしくするのは、同じオイスターソースという名前をつけられているにも関わらずメーカーによって味付けや粘度にかなりバラつきがあるということ。 
レシピ本を見て「オイスターソース大さじ一杯」という表記通りに味付けをしても、使うオイスターソースによって仕上がりが変わってきてしまいますから、しっかりとした味見が必要になります。
オイスターソースが定番調味料になりきれないのは、前述のようによく見るものが割高であること以外に、レシピで使われたオイスターソースと手元にあるオイスターソースの味の強さの違いから「なんか全部オイスターソース味になるな…」や、逆に「なんか味がはっきりしないな…」といった失敗が起こりやすいこともあるのでしょう。

おすすめレシピ

基本の合わせ調味料
オイスターソースの説明の最後に「オイスターソースって味バラつきあって使いづらいよね…」と言っておきながら、そのまま即おすすめレシピ紹介ってどういうことやねん!というみなさんの不安を解決するのがこの合わせ調味料です。
材料は、
・オイスターソース
・醤油(普通のこいくち醤油)
・砂糖

の3つだけです。
これらをオイスター:醤油:砂糖=5:2:1で合わせます。

僕の家で使ってるタイボーイのオイスターソース買ってくださればこの割合で大丈夫ですが、前述の通りオイスターソースはモノによって味のバランスが結構違うので、調整が必要になります。
基準として、塩味旨味甘味の割合が3:2:1くらいだと汎用性高く使える思います。
個人的な味覚ではありますが、麺つゆより少し甘くないくらいのバランスってイメージ(麺つゆもメーカーごとに大概バラつきあるけど…)ですね。


上海焼きそば

見た目しょぼいけどうまい。

材料(2人前)
・豚肉…100g
・ニラ…1/2束
・もやし…1/2パック
・蒸し中華麺(焼きそば麺)…2玉
・基本の合わせ調味料…大さじ3

豚肉を細切りに、ニラも程よい大きさにカットする。(このとき、もやしと同じ位のサイズにすると仕上がりが良くなる)
フライパンにごま油を引き、中火で肉を炒め、軽く火が入ったら蒸し麺を投入する。
蒸し麺がほぐれてなじんだら合わせ調味料ともやしを加え、強火にして1分ほど炒め合わせる。
仕上げにニラを加えて10秒ほど炒めて完成。

シンプルな具材ですが、もやしのシャキシャキした食感とニラの香りが美味しい焼きそばです。
具材を分けて入れることでそれぞれの食感を残すのがポイントです。
具材は基本的に何を入れても美味しいですが、このポイントを失念すると具材から水が出て味がぼやけるので注意してください。


黒胡椒炒め

記事のサムネ使い回しゆるして…

材料(2人前)
・メインの具(エビ、イカ、豚バラなど)…100g
・ピーマン…1個・玉ねぎ…1/4個
・タケノコ水煮…50g
・キクラゲ…50g (キクラゲタケノコが無ければブロッコリー等の食感のいい野菜で代用可)
・ニンニク…1片
・基本の合わせ調味料…大さじ2
・粗挽き黒胡椒…大さじ1

ニンニクをみじん切りに、ピーマンや玉ねぎは3cmほどの大きさにカットし、メインの具とキクラゲを湯通ししておく。
フライパンに油を引き、軽く煙が出るまで強火で加熱する。全ての材料を一気に投入し、1分程炒め合わせて完成。

ちょっと引くくらいの黒胡椒が甘めの味付を引き締めてくれて、非常に酒が進む一品です。
火が通りづらい食材を事前に加熱することで炒め合わせる際に食感を残すことができます。
炒める作業は味を馴染ませるくらいのイメージだと上手くいくと思います。


バジル炒め
(かんたんガパオ)

鳥ひき肉ver


材料(2人前)
・ひき肉(鶏でも豚でも可)…200g
・ピーマン…1個
・玉ねぎ…1/4個
・バジル…2枝(乾燥バジルなら小さじ1くらい)
・基本の合わせ調味料
・にんにく…2片
・とうがらし…適量

ニンニクをみじん切りに、ピーマンや玉ねぎは3cmほどの大きさにカットする。
強火で温めたフライパンでニンニクとひき肉を炒める。
ひき肉に8割くらい火が通ったらピーマンと玉ねぎ、合わせ調味料加える。 
玉ねぎに火が通って透明感が出てきたらとうがらしを加えて馴染ませ、完成。

人気タイ料理のガパオもオイスターソースさえあれば簡単に作れます。本当はタイの調味料やホーリーバジルが必要なんですが、これは手軽な割に再現度高めだと思います。
ひき肉は粗挽きのものの方が美味しいですね。フードプロセッサーで塊肉処刑したりしてもよい。
個人的に鶏むね一番美味しく食べる方法だと思ってます。目玉焼きを添えてご飯と一緒にどうぞ。


あんかけラーメン

これはエビ多め白菜のかわりに小松菜仕様

材料(2人前)
・豚肉うす切り…100g
・むきエビ…50g
・白菜(好みの青菜で代用可)…100g
・人参…1/4本
・生中華麺…2玉
・鶏ガラスープ…2カップ
・基本の合わせ調味料…大さじ3杯
・ごま油、水溶き片栗粉…適量

人参を薄めの短冊切りに、白菜を一口大のそぎ切りにし、レンジで火を通しておく。
ごま油を引いた鍋で豚肉を炒め、火が通ったらむき海老を加える。
さらに野菜も合わせて炒め、ガラスープ2カップと水を半カップ加えて煮る。
合わせ調味料で味付けし、水溶き片栗粉でとろみをつける。
茹で上げた中華麺に完成した餡を掛けて完成。

まろやかでやさしい味のあんかけラーメンです。寒い日に美味しい麺で、町中華を感じます。
うずらの卵やヤングコーンなんかを加えるとより本格的になるのでおすすめです。

おわり

今回も読んでくださってありがとうございました。オイスターソースはそのまま使うと味が強いので、一旦合わせ調味料として味を調整すると使く勝手が良くなると思います。
紹介した基本の合わせ調味料は「ネオめんつゆ」と言えるくらいかなり汎用性が高いので、例えば筑前煮の味付けをこれベースにすると中華風になって美味しいし、炊き込みご飯が中華おこわ風になります。
ぜひみなさんも試してみてください。
次回もよろしくお願いします。

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