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#173日目 半年間のロックダウン下留学で得たもの
こんにちは。ロンドンではじめての移住生活を送っているsacaikumiです。
ロンドン振り返り記事、これで最後になります。今回は、この半年間の留学(と呼ぶにはほとんど何も出来なかった)期間で何を得られたかを書き留めておきます。
◇◇◇
私が留学したかった理由は結局何だったんだろうって今改めて振り返ってみると、【兎にも角にも息苦しい東京から、一度うんと離れてみたかった】だったように思います。
だから、英語が…とかデザインが…とか、細々したのって結局飾りだったのかもしれません。だって日本は英語を学習する上でも、デザインを学習する上でも、お金を払えば十分環境の整った国なのだから。
自分の人生を振り返ると、大変だったよという私の言い分とは裏腹に凄く恵まれてきたのだけれど、でもやっぱり、何だか、人生ずっと慌ただしかったようにも体感してしまいます。
何となく日本の常識に疲れて心が擦り減っているような気もするけど、でもそこそこ上手くやれているし問題なく生きていけてるから、これで十分なのかもしれない。でも…という自問自答を繰り広げるのが私の常でした。
そこから抜け出すことで全然違う自分になれる未来が待っているのか、或いは外国は全然性に合わなくて実は今の環境に凄く感謝するきっかけを得ることになるのか、どっちに転ぶのかを知りたかった。何となく違和感を覚えているまま、知らずに人生が終わることが嫌だった。
イギリスに来たいと思ってもなかなかその手筈を整えられなかった2年間余りで100回くらい聞かれた、「なんで(今更)留学するの?」「どうしてイギリスなの?」という質問に少しでも優等生的な回答を打ち返さなきゃと思う私の外面と本心との乖離は結構深々とあって、ずっとその溝に違和感を覚えていました。
30歳を目前にわざわざ国を変えてみようっていうのだから、そんな風に聞かれるのは当然なのですが。
日本で30歳を目前にした女性ともなれば、私が親のためなのか、日本社会が信じる「幸せ」のためなのか、とにかく今すべきとされていることは結婚と出産。そして私が選んだことはそこから最も遠い。
でも、でも。人生って一度しかないし。子供を持ったら、夫が出来たら、私が自分の人生の舵を大きく切るときに心の中で心配しなくちゃならない人が増えるから、その前にどうしても逃げてみたかった。日本と、日本が抱える全ての「当たり前」から。
そして、結果的には、日本から一度離れてみて良かったと思っています。
◇◇◇
いざ離れてみて、まさか自分が、約100年ぶりのパンデミックという異常事態を外国で経験することになるとは考えもしませんでした。
正直来る前は、これまでのイギリス訪問がそうであったように、浮かれた時間を過ごしてあっという間に終わるもんだと思っていました。半年なんてほとんど無意味だと。
でも、全然無意味じゃありませんでした。これは半年間健康なまま乗り越えられたからこそ言える言葉だけど、日本の「当たり前」から離れるのに、これ以上のタイミングは無かったのかもしれません。
イギリスというプラットフォームを満喫するという当初の目的は雲散霧消したけれど、ロックダウン下において、日本に居たら出来なかったであろう選択がどれだけ沢山あっただろうと振り返ると、やっぱりこれで良かったんだと思います。
そしてこの半年間の体験を通して私自身が最も変わったなと感じること、それは、
ロンドンに来る前より
自分のことを好きになれたこと。
勿論、他の些細な変化も沢山あります。英語とか、自宅トレーニングとか、瞑想とか、お花買う習慣とか。そういうのは昔の記事にいっぱい綴っているのでもし興味があれば読んでみてください。
でもダントツで1番大きな変化は、前より自分を好きになれたこと。これに尽きます。
来る前は散々日本が嫌って言ってきたけど、根底にある思いとしては、自分のことが嫌いだったんだって事にやっと気付きました。なんか巻き添え食らわせちゃってごめんね、日本。
私の頭の中には、私なんて〜〜じゃないし、という思いが何かとこびりついてた。ずっと自分のそういう考え方を見ないフリしてきた。自分の存在を蔑ろにし過ぎていた。
私はずうっと、自分の嫌なところとどうやって折り合いを付けようかな、どうやって諦めようかな、というスタンスで生きていました。
まさかそんなふうに思っていたとは側から見て思えなかったかもしれないけど。
それは自分に自信がないというより、期待できるような価値が自分にはないと信じてた、っていうような感じ。悲しいかな。
でも、どれだけ大変な思いをして母が私を産んだか、両親が私が生まれた事に喜んだか、一生懸命育てたか、色んな未来の可能性に夢を馳せたのか、、
ここへきてようやく、たくさんの受け取った思いを私自信が引き継いで、自分のことをもっと大切に、価値あるものとして扱いたいと心から思えるようになりました。
これについては、色んな家庭の色んな親子の関係性があるから、たまたま我が家がそうだったということなのだけれど。
この変化だけは、日本に身を置き続けていたら、もうしばらくは起こらなかったような気がしている。
だから、本当に来て良かった。
◇◇◇
私は今回ロンドンに半年しか滞在出来ないので、この先3ヶ月はダブリンに滞在します。引き続き、ダブリン滞在期としてマガジンを読んで頂けたら嬉しいです。
また、ロンドンにも近い将来また戻る予定です。やっぱりイギリスという国をもっとちゃんと楽しみたい。色んな地方に行ってみたいし、ミュージアムで一日潰したいし、マーケットに足繁く通いたい。イギリスは私にとって、まだまだ未知なる、大好きな国です。
またイギリス滞在記録の続きを綴れる日がきますように :)
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