オウンドメディアリクルーティングとは?最新事例・やり方を徹底解説
『そもそもオウンドメディアリクルーティングとは?』
『オウンドメディアリクルーティングの運営方法や実例を知りたい』
『欲しい人材に的確なアプローチを行い、人材獲得競争から脱却したい』
という方に向けて記事を書いています。
現代は少子高齢化が進み売り手市場であることから、人材獲得競争が年々激しくなっています。自社の採用力を向上させ優秀な人材を獲得するためには、オウンドメディアを利用し、ターゲットに向けた長期的なアプローチを行う必要があります。
今回の記事では、オウンドメディアリクルーティングの意味を解説し、さらに実例とともにオウンドメディアリクルーティングの実際の運営方法について徹底比較したいと思います。
この記事を読めば、オウンドメディアリクルーティングの本質を理解し、実際にオウンドメディアの運営を適切に行うことで、人材獲得競争から脱却し、自社にとって必要な優秀な人材を採用できるようになります。
オウンドメディアリクルーティングとは
まずは、オウンドメディアリクルーティングとは何かを詳しく解説していきます。
▼オウンドメディアの意味と主なサービス
オウンドメディアとは、情報発信のために自社が所持(オウンド)しているメディアのことです。具体的には、企業が運営するWebサイト、ホームページ、ブログサイト、Twitter、Instagram、Facebook、YouTube等のメディアを指します。
▼オウンドメディアリクルーティングの意味
オウンドメディアリクルーティングとは、先ほど紹介したオウンドメディアを活用して採用活動を行い、高付加価値人材の獲得を狙うための採用手法です。
▼メモ▼
高付加価値人材とは、自社に必要なスキルを持ち合わせ、自社で活躍する可能性が高く、相互的マッチングが図れる人材のこと
オウンドメディアは、絞ったターゲットに対して効果的にアプローチできるという特徴があります。
ターゲットに自社への興味を抱かせ、将来的に入社してもらえるような糸口となるように、オウンドメディアを通して企業が欲しい人材に自社の魅力や募集要項等の情報を届けることをオウンドメディアリクルーティングといいます。
現代の採用にオウンドメディアリクルーティングが必要な理由
ここからは、オウンドメディアリクルーティングが注目されている理由を解説していきます。
▼優秀な人材の獲得の難化
少子高齢化や働き方改革により、昨今の日本では人材獲得競争が激化しています。また日本企業も年々増加しているため、優秀な人材を採用するには企業の認知度を向上させることが必要不可欠になっています。
そこで注目されているのが、オウンドメディアリクルーティングです。
オウンドメディアで欲しい人材にアプローチを行い、ターゲットが望む情報や自社の魅力を提示することで、人材獲得競争からの脱却が期待できます。
▼自社への導線づくり
IT化が進みスマートフォンが普及されたことにより、インターネットで情報収集を行う求職者が増加しています。世の中には大量の情報があふれたことで、求職者は多くの情報を取捨選択しながら就職活動を行っているという現状があります。
そのため、企業側はオウンドメディアを活用しながら正しい情報を提示し、ターゲットが自社に辿り着くようなルートを作ってあげることが重要です。
▼求職者の労働観の変化
近年日本では転職者が増え、終身雇用制度に魅力を感じる求職者は年々減少しています。求職者の労働観が劇的に変化し主体的な就職活動を始めたことにより、企業は「選ぶ側」ではなく「選ばれる側」と変移しました。
このような求職者の労働観の変化により、求職者に向けて自社の魅力や社内のリアルな情報を伝えられるオウンドメディアリクルーティングが注目されるようになりました。
オウンドメディアリクルーティングの『メリット』
ここからは、オウンドメディアリクルーティングの主なメリットを解説していきます。
▼長期的に高い採用力を維持できる
オウンドメディアリクルーティングは、HPへのアクセス数や応募者数等をすべてデータ化できるという特徴があります。サイトの良し悪しを分析しながら自社のみで運営を行うことで採用データやノウハウが蓄積され、高い採用力を持続させることができます。
また求人広告とは違い、過去の掲載内容やコンテンツが蓄積されていくため、多方面から求職者の興味を引き、応募者数を増加させることもできます。
▼制限なく、自社の魅力を伝えられる
自社で運営を行うオウンドメディアは、文字数や投稿数、掲載時期等の制限がありません。そのため、ターゲットの興味を引くコンテンツやレイアウトを自由に制作し、自社の魅力を十分に伝えることができます。
また、経営理念や社内の様子などオウンドメディアのコンテンツを充実させることで、入社後のミスマッチ防止にも繋がります。
オウンドメディアリクルーティングの『デメリット』
▼コストがかかる
初めてオウンドメディアの運営を行う場合には、サイトを立ち上げることからスタートしなければならず、多額の資金が必要になります。またSNSや元々採用サイトを所持している場合も、コンテンツの修正費用やオプション料金によりコストがかかります。
このように初期費用の負担はありますが、メディアのコンテンツを増やし順調にサイトを運用していくことができればコストを抑えながら情報発信ができるようになります。
▼長期的な視点で見る必要がある
オウンドメディアリクルーティングは、すぐに結果を出すことは難しく、マーケティングやサイト運営等の多くの知識が必要になります。
ターゲットに自社を見つけてもらえるような道づくりや興味を持ってもらえるコンテンツを試行錯誤しながら考え、長期的な視点で進めることがオウンドメディアリクルーティングの成功へのカギとなります。
オウンドメディアリクルーティングの運用の【流れ・準備】
ここからは、オウンドメディアリクルーティングの運用方法について解説していきます。
①職種・職務内容の明確化
オウンドメディアリクルーティングの運用の前にまずやるべきことは、求職者に任せる業務内容や職種を明確に提示することです。
いわゆる職務記述書(ジョブスクリプション)を記述する際は、以下の内容を含んでいるかどうかをチェックしましょう。
・仕事内容
・ミッション
・任せる業務の範囲や責任
・評価基準
・業務で関わる会社や部署
・必要なスキル・知識・資格・経験
・過去の採用実績校
上記のようにジョブスクリプションを明確に提示することで、会社全体で採用基準が統一され、募集する職務に最適な人材を採用しやすくなります。
②採用ターゲットの設定
次に、整理した職種・職務内容をもとに、求める人物像を細かく分析していきます。採用ターゲットが明確に定まっていないと、担当者によって採用基準がずれ、企業の成長に貢献し優秀な人材を採用することは不可能です。
採用ターゲットを設定する際には、以下のように求める人物像を明確にする必要があります。
・年齢層
・家族構成
・仕事に対する価値観
・前職の職務内容
・持っているスキル
をジョブスクリプションで提示した「必要なスキル」や「過去の経験」等を参考に、自社で活躍する可能性の高い人材の特徴を細かく挙げていきましょう。
③自社の特徴・魅力の分析
次は自社の特徴や魅力について分析しますが、実はこの分析は、オウンドメディアリクルーティングの出来不出来に大きく関係するほど重要な課題になります。
そもそもオウンドメディアで掲載するコンテンツは、自社の魅力を求職者にアピールするためのものなので、自社の特徴が理解できていなければターゲットの心に刺さる内容は蓄積されていきません。以下の項目を参考に、実際に働く社員やお世話になった他企業等から自社の魅力を聞き出し、求職者を引き付ける特徴はどこにあるのかを見直しましょう。
・事業の目的
・働き方や待遇面
・企業文化、社風、風土
・仕事で得られる達成感
④競合他社との差別化・ポジショニング
自社の魅力がいくつか挙げられたら、競合他社と比較・分析し、他社に負けない特徴を見極めさらに絞ります。
特徴が多いと他社との比較が難しく、求職者からは印象に残りにくいため、魅力は多ければ多いほど良いというわけではありません。他社と比較して最も抜きん出ている魅力は何かを分析し、その特徴を軸にオウンドメディアのコンテンツを構築すると良いでしょう。
⑤コンテンツ制作・運用
ここまでのフローで明確になった採用コンセプトをもとに、次はオウンドメディアのコンテンツ制作に入ります。
ここで重要なのは、どのコンテンツでも「誰に何を伝えたいのか」が明確になっていることです。採用コンセプトがずれないように意識し、文章やイメージ画像もサイト内で統一させ、制作を進めていきましょう。
オウンドメディアリクルーティングの【運用方法】
オウンドメディアリクルーティングの運用は、自社で行う方法と運用代行を依頼する方法があります。
オウンドメディアリクルーティングの運用代行を外注する場合は、欲しい人材や企業イメージ等を明確化し、認識のズレのないように外注先と共有することが重要です。
自社で運用する場合は、制作したコンテンツを適宜更新し、WEBへのアクセス数等のデータから定期的に分析・改善を行い運用していきます。
【オウンドメディアの分析でチェックすること】
・アクセス数の高いコンテンツ、記事の特徴
・アクセス数の低いコンテンツ、記事の原因
・閲覧者の平均滞在時間
・閲覧者の行動
・目標に対する達成率
オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、PDCAを繰り返し定期的な分析・評価・改善が必要不可欠です。上のチェックリストを参考に、応募者の満足度と企業価値を高めるオウンドメディアを構築していきましょう。
事例付き|オウンドメディアリクルーティングに必要な【コンテンツ】
ここからは、自社メディアの事例を挙げながらオウンドメディアリクルーティングに必要なコンテンツについて解説していきます。
▼経営陣の想いが伝わる企業理念やビジョン
オウンドメディアのコンテンツに欠かせないのは、企業の軸となる経営理念やビジョンです。どんなに優秀な人材でも会社の経営理念に共感できなければ、自社の成長に貢献する人物にはなり得ません。
上の事例のように、求職者の心を動かすコピーを使って経営理念や今後のビジョンを提示し、自社がどんな目的を持って存在しどのように社会に貢献をしていくのかということを示しましょう。
▼事例付きの業務内容・職種
オウンドメディアで事業内容や職種を紹介する際には、具体性が重要です。少ない文章で簡潔に説明するのではなく、上の事例のように実際の写真を掲載したり、業務の流れが一目でわかる表を作るなど、ボリュームのある内容を工夫してまとめましょう。
また実際に社員を観察し、1日の流れをまとめた表を作るのもいいかもしれませんね。
▼自社のサービス・仕事に対する考え方
自社のサービスや仕事に誇りを持つ社員で溢れている企業は、求職者にとって非常に魅力的です。上の事例のように映像やブログ等を使い、普段仕事とどのように向き合っているのかがわかるようなコンテンツを制作してみましょう。
▼社長インタビュー
代表者によるメッセージは信頼性が高まるため、事業の目的や自社の価値観を伝えるためには非常に重要なコンテンツです。
社長にインタビューをする際は、以下のような内容を含めることを意識するようにしましょう。
・会社設立の背景
・会社、事業に対する想い
・会社の強みと弱み
・業界や日本市場の動向
・会社の現状、課題、目標
▼参考▼
社長インタビューをみる
▼活躍する社員のインタビュー
活躍する社員のインタビューは、実際に入社した後のイメージがしやすいため、オウンドメディアに必ず入れるべきコンテンツです。紹介する社員は、会社に大きく貢献し、求職者の目標となるような人材を選びましょう。
説得力のあるコンテンツにするには、以下の項目を含めた内容にすると効果的です。
・人物のプロフィールと写真
・自社に就職・転職した理由
・仕事のやりがい(実体験等をふまえて)
・社内の雰囲気
▼福利厚生・制度の紹介
オウンドメディアリクルーティングで成功させるには、求職者が気になる情報がすべて1つのサイトにまとまっているかどうかを意識することが重要です。
なかでも福利厚生は特に求職者が知りたい情報の1つなので、上の事例のようにできるだけ細かく記載しましょう。
▼社内イベントや勉強会等の紹介
社内イベントや勉強会等の記載は、求職者が社内風土や社風を感じられる重要な情報源となります。上の事例のようにブログ等を使って実際の写真を掲載し、楽しそうな雰囲気が伝わるように意識しましょう。
▼社員のプライベート写真や動画
求職者は入社した後のイメージを膨らませるために、社員の普段の様子をチェックしておきたいという欲求を持っています。社員はどのように休日を過ごし、どのような交流があるのかなど、アクセスしやすいSNS等を利用して高頻度で更新すると良いでしょう。
まとめ|オウンドメディアリクルーティングの実用は、長期的な視点を持って挑もう
今回は、オウンドメディアリクルーティングの意味や運用方法について紹介しました。
オウンドメディアリクルーティングはすぐに結果を出すことは難しいですが、地道に分析・改善を続けることで必ず効果が表れる採用手法です。今オウンドメディアの導入を検討している方は、今回の記事を参考にしながら長期的な視点で運用を行ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。