水民マガジン 川が教えてくれるクロールの呼吸について
まだ 日本人の多くが オリンピックという祭典に心をときめかせていた 前回の東京五輪の水泳の金メダリスト アメリカのドン・ショランダーが『勝つ水泳』という本を著していて 若いころ その本を持っていた
その本でドンは(気安いな)クロールの呼吸は 水面ギリギリでやるので顔を呼吸するため横に向けた時の口の形は❤である
と書いていた(実際本人が書いていたかどうかは不明)
それを読んだわたしは やはり 世界を制する者はこだわりが半端やないなあ と感心した
水泳を教える際 たまにこの話をする ネタとして
さて その後 いくつかの水泳の本を読む中で 『首飾りの波』という ロマンティックな名称に行き着いた
解説すると 泳ぐ時に 頭で水を切ると 頭の前にふくらんだ波ができる
これが首飾りの波である その際 首飾りの波の両側に 凹み つまりエアーポケットができ そこをうまく使って呼吸をするのが理想だ とそういう考え方である
なるほど と思うが そんなエアーポケットは本当に存在するのだろうか?
自然界にはあるんです これが
関東でスラロームカヌーをやっている人だと 御嶽のハッカケ岩の下の瀬が終わって ちょっと行ったところの真ん中の岩 フリークライミングをやっている人だと 忍者返しの岩のから遊歩道を少し上流に歩いて 対岸によくカップルがいるところの前の川の中の岩 ラフティングをやっている人なら タテチンのすぐ下流
と言ったらすぐわかると思うが 川の流れの真ん中に突き出た岩に水があたってできたクッション(これが首飾りの波)があり 岩の横の水が深くえぐれている
巨大エアーポケットができているのだ
なわけで 水泳指導のヒントは 自然界にも隠されているのだ
ちなみに 水があたっている こうした岩の裏側は 多くの場合(岩の形状によるが)反転流になっている
泳ぐ場合も 反転流が発生していると思うが そのことが泳ぎに及ぼしている影響 なんてデータはあるのかなぁ