三角関係の恋愛ストーリーで「三人エンド」は成り立つか。
*この記事にはいくつかの創作のネタバレが含まれます。
少し前にはてブに上がっていたこの漫画(ネーム)面白かった。
自分にとっては、この漫画は「三角関係→三人エンド」だ。
恋愛は「その人でなければならない誰か」と外の世界から隔絶した二人だけで完結する世界を作るものなので、「三人目」は「完成された(されつつある)世界」に介在する異分子として認識される。
恋愛で三角関係が面白いのは、完成した世界を混乱させて混沌に戻そうとするからだ。
「三人」と「恋愛」は対立する要素であるため「三人エンド」という外形を、読み手が受け入れるのは難しい。
「この三人なら二人ではなく三人でなくてはダメだ」と納得するためには、三人の関係性をどれだけ説得力を持って積み重ねられるかにかかっていると思う。
そうでなければ「(逆)ハーレム」「百合に挟まる男(BLに挟まる女)」「友情エンド」など、「三人いても似て非なるもの」になってしまう。
「三人による隔絶した世界の構築(≒恋愛)をする三人エンド」の条件としては、
①三人によって「この三人の関係性に他の人間はいらない」と意思統一されている。
②「三人が一緒にいることが、三人全員にとって最適解である」と読み手が納得する可能性が高い。
この二つが必要だと思う。
自分が今まで見てきた創作の中で、「これは完全に『三人エンド』だ」と思えるものは、秋里和国の「THE B.B.B.」しかない。(三人がそれぞれと結婚するという凄いエンドだった)
よくあるパターンとして「Aを好きなBとCがいて、AがBもCも選ばずに、BとCがAを挟んで争う状態のまま終わる」というものがある。
これは(「ほのぼのエンド」として成り立つかもしれないが)「三人エンド」ではない。
BとCには「『ABCの三人が一緒にいること』が最適解である」という認識がないためだ(客観的に見たら、その状態が続くことが三人にとって幸せに見えたとしても)
というように、納得がいく「三人エンド」はかなりレアなので↑のネームを見た時、「おおっ、これはいい三人エンドだ」と興奮した。
てぃあらちゃんと張り合う南さんが可愛くて、気絶しそうだ。
いまプレイしている「ドラゴンクエストビルダーズ2」の主人公、シドー、ルルの関係も凄く好きで「三人エンド」にならないかと期待している。
システム的に主人公が男か女か選べるため、シドーやルルの態度は主人公が男でも女でも変わらない。「男二人、女一人」「女二人、男一人」両方のパターンを楽しめる。
「一人を間に挟むことで成り立つ三角関係」ではなく、「三人で世界を構築する三人エンド」の色々なパターンを読んでみたい。
増えないかなあ。