「おもしれえ女」の対比となる言葉は「お前を見損なった」だ。
「ドラゴンクエストビルダーズ2」は、物づくりが大好きな主人公と「ドラゴンクエスト2」のラスボスである破壊神シドーの友情がメインストーリーになっている。
ラスト近くで絶交(©シドー)するまで、二人は昼夜問わず行動を共にする。
主人公の性別を選べるので主人公の性別が男でも女でも、シドーは同じ言動、同じ対応をする。
そのため普通のコンテンツだと「男キャラが女性キャラにするのは(ありえないとまでは言えないまでも)違和感がある言動」が出てくる。
その中で一番印象的だったのは「お前のことを見損なった」だ。
自分は男キャラが女性キャラに(特に恋愛関係以外で)「お前を見損なった」と言うのが大好きだ。「見損なっていた」ということは「信頼していた」という前提があるからだ。信頼していたから、ネガティブな評価を面と向かって言うほどの深い怒りが生じる。
逆に勝手に期待して勝手に裏切られたと思う時(期待はあれど信頼関係はない場合)は、人は怒りを露わにはしない。
自分が損をするだけなので、黙って離れる。
「裏切者が」「見損なっていた」というのは、「対等の力量の相手と認めていた」という前提ありきで発せられる言葉だ。
対して、よく話題になる「おもしれえ女」は「男キャラが女性キャラを一方的に評価する言葉」である。
「自分が一方的に相手を評価する側である」という心性は、良く言えば教導的、悪く言えば相手の力量を舐めている。
樹なつみの「花咲ける青少年」という漫画で、主人公の花鹿がラギネイの王女ナジェイラに、「自分に会った感想を率直に言ってみて」と言われるシーンがある。
「凄く面白い」と言った花鹿に対して、ナジェイラは「お前も面白いわよ」と返す。
「面白い」などと一方的に評価をすれば、普通は相手もこちらを面と向かって評価し返してくる。(このシーンは求められたから答えただけなので、花鹿は悪くないが)
この時のナジェイラは凄い煽り顔をしている。
こういうやり取りが異性同士でも描かれるようになって欲しい。
「ビルダーズ2」でルルが主人公に言う「シドーはすぐに強がる……っていうかお兄さんぶるから、素直に助けてって言えないのよ」というセリフや破壊神に取り込まれそうになるシドーが主人公に助けを求めるところも良かった。
シドーみたいな俺様キャラが女性キャラに「助けてくれ」と言うシチュエーションも大好きだ。たまらん。
自分は創作では異性愛好きなので、シドーと女主人公の間には友情と恋愛の境目を考えることも無意味な強い信頼関係があると妄想しながらプレイしている。
クリア後の「久しぶりにハイタッチしたい? しょうがねえな」と言いながら、意味もなくハイタッチするところも良い。
イチャイチャしすぎだろ。いい加減にしろ(もっとやれ)
コミックかノベライズが出ないかなあ。