「科戸(しなと)」(wind occur) /個展「かくれざと」出品作#6
科戸(しなと)は、風の起こるところ。罪を吹き払う風。元を辿れば神道に登場する言葉ですが、画面下に描いた開かずの門は国昌寺のもの。
明治政府の神仏分離政策以前は、神と仏は当たり前のように混ざり合っていました(神仏習合)。例えば日本の七福神を代表する柔和な大黒天が、インドでは破壊の神だったのは有名な話です。
このように外から入ってきたものを、自らの内のものとどう折り合いをつけるかは、人間の常に変わらない悩みの種の一つでしょう。
神仏習合では、外のものを「内にあったもの」とし互いに照らし合わせ、重ね合わせるように存在を一として捉え直してしまうという、どちらも否定せず刷新する方法を採用します。それが民衆に自然発生的に生じたというのが自分にとってとても興味深い歴史に感じました。
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