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L’atoumo, the shell ginger, さねん、月桃

異端な印象の今年の梅雨。今日もすっかり晴れていて暑い。今後の梅雨はこんな感じになっていくのかな。予算限られているのに電気代にびびながら生命の維持のためにエアコンがんがんでPCをいじっている。PCからも発熱を感じながら。

温暖化よくないとか思いながら熱帯植物が好きで、奄美関連よりかなり前から月桃の花の可愛らしさに目覚めて、関東在住の自己責任範囲内限られたスペースに種をまいてしまっている。

これがよく育ってしまって、とある一角で身長越えの月桃が数本花を咲かせてしまっている。同県内前居住宅で種まで収穫してしまうほど。他人事みたいな、自分でやったのに。


・国内外来種(自分が今居る場所にとって)


アライグマなど動物の国外外来種、人間が持ち運んで野生化して問題になっているけど、魚などで国内外来種という話も聞いたことがある。池の水抜く調査などで、西日本にしかいないものが関東の池から見つかったとか。日本人の多少過剰意識なのか実際なのか、日本本来種は繁殖力が弱い印象で、様々な情報源から認識している。専門家ではないから断言はできないけど。

園芸店の鉢では国内外外来種だらけ、動物のような悪影響を及ぼすもの以外が売られていると信じていて、買う側も気を付けていると信じている。さすがにセイタカアワダチソウは園芸店では見られないから大丈夫と信じている。

月桃についても、本来は沖縄奄美で自生する植物で関東では自生はないはずで、関東で生やしてしまったらそれは国内外来種に当たるだろう。なので自宅敷地外に漏れないように気を付けている。なぜなら「育ってしまう」強い植物だから。

蕾 開きかけ 稲穂のよう

・南西諸島の花


奄美では「さねん花」と言われている月桃の花。沖縄では街路樹でもある「サガリバナ」(これも大好き)と並んで、奄美の山のっぱらに自生する「サネンバナ」が、自分の中では美しい南西諸島の花という位置づけ。「イジュ」も加えて、自分の経験上三大三美三強かも。

開花の順番は、梅雨前のイジュ(ツバキ科の白い花 ヒメツバキとはビミョーに違うらしい)、梅雨時の月桃、梅雨後期からのサガリバナ。島で梅雨を始終体験したら全部楽しめるな。

3つとも香りも良い。サガリバナが咲いている場所で花木に近づいていくと、チョコレートのような甘い香りと強い羽音。羽音の根源は熊蜂だったかもしれない。イジュの低い位置に咲く枝をやさしく鼻に近づけると花に見合ったやさしい香りがする。サネンバナも香るけど葉のほうが香りが強く爽やかである。害虫除けになるほど。生姜の仲間、好みはあるかもしれない。自分は大好き。

・美しい容姿と強い生命力


サガリバナとイジュは国内外来種には困難。関東などの寒さと乾燥では屋外では経験上育たない。ところが月桃は育ってしまっている。3回くらい冬を越すと、梅雨が近づくころに蕾が出てくる。

屋内で飾れない 理由は、でかさと蟻さんが花から退いてくれない

開花初年は本数も少なく種のある実も数個。次の年からは豊凶あるが開花本数は増えて安定し、結実も安定して収穫できてしまう。

島には至る所に存在し生命力繁殖力から、しまんちゅの中にはデカい雑草ととらえる人もいるかもしれない。NOT島では貴重だから自分的には雑草ではない。おされな観葉植物店で、原生地の人が商品としてを見て、首をかしげるように抱く気持ち、と似ているのかな。

葉の先に独特の膨らみが確認され、それは蕾で垂れて開き稲穂のような花が隠れている。脱皮した花が首を垂れてポン菓子の先にほのかな紅紫色が灯っている。ポン菓子が開くと黄色いフリルの真ん中に紅指す花が開き、ほのかに香りを放つ。美人になぞらえた歌になるほど、可憐な花である。

大雨でなければ雨もまた良しという人間なので、梅雨入りが紫陽花と並ぶこんな可憐なしるしがあるというのは、少しうれしく島々のことを思い浮かばせてくれるもの、個人的な感想であるが。

オレンジ色になって 褐色に枯れて 割れて種が見えてくる

・仲間:クマタケラン


月桃に似た「クマタケラン」という植物も、島に自生している。こちらは月桃より幅広で大きな葉ではあるが、花がコンパクトでそれゆえ実もコンパクトである。鉢で花までは咲かせたけれど、結実は毎年ダメだった。月桃より気候と環境に敏感なのかもしれない。転居で手放してしまった。

奄美のクマタケラン

葉の香りは月桃と殆ど同じ。元さんも紹介とりあげた「ふてぃむち」という奄美のソウルフードのむち(餅)を包むのが、月桃より大きく幅広のクマタケランの葉が採用されているのではないかと思う。葉の柔らかさもクマタケランのほうが向いていそうだが、大きな月桃の葉で作れば、香りが強いかもしれない。

かつての自家製ふてぃむち レシピ見ながらうちのクマタケランの葉で包んだ

・ふてぃむち


奄美のしまぐち「ふてぃ」はヨモギ、「むち」は餅のこと。蓬餅だ。
数年お世話になった奄美関係のお店情報で教えてもらって、手作りのものをごちそうになった。何とも言えないやさしい味。

かつて、うちにも蒸籠があったので自分でもトライして何度か作ってみたことがあった。生よもぎの入手と仕込みが困難だったので食材店の青森産に協力をもらい簡易に汁を用意。

柔らかさは甘藷にかかってくるので控えめにしないとベチャ仕上がりに。もち粉と好みの加減で黒糖分量、そこによもぎ汁を入れてこねる。色は暗緑色楕円筒型に丸めた「むち」原料をクマタケランまたはさねんの葉で包んで藁で縛って、蒸籠で二十分位蒸していく。

この回は失敗かも 味は良かったけど よもぎ不足

マイベストふてぃむち画像が見つからず失礼。たくさんできたら冷凍保存してよりより(ゆっくり)楽しむ。保存のためにも甘藷控えめベチャトロにしないほうがおすすめ。とあるレシピ通りではなく甘藷の分量に注意。

深くはないけれど、沖縄と奄美のしまんちゅ様とのご縁で知った月桃の花。深くは無いかもしれないけれど長く続けて関心できているから、地元などすっかり縁遠くなった人間にとってありがたい距離と縁。

行くのは遠いけど、範囲内で月桃を育てながら、時に島のことを思い浮かべて、暮らしに入り込んでいるように、ゴーヤチャンプルとかなりみそ(そてつ味噌)炒めを季節に時々作って食べてみたり、また現地の花を見に行きたいかなとか。

収穫できた何年か前の種がまだ残っていて、まいたらすぐに出てきてしまうから、カプセルから時々取り出して、香りに癒されています。そのくらい生命力が強い。むやみな種まきは気を付けたいけど、繁栄の力としたたかさ見習いたい。何より花の可憐さでもあるけれど。

垂れるから下から撮影してみたよ

Thanks.

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