見出し画像

割れないカボチャ

彩里の庭でとれた、おおきなカボチャ。
重くて堅い。それになんだか、普通のカボチャと違って色が白い。
正直、「これ、おいしいのかな?」と思っていたんです。

最初は木彫りの置物に見えたのです

さて、包丁を入れようにも表皮が硬くて受け付けてくれず。
この時点で、すでにかなりくじけていました。
そこで思い出したのが、名作絵本『ぐりとぐらとすみれちゃん』

おなじみ、野ネズミのぐりとぐらと、仲良しになった人間の女の子・すみれちゃんが、一緒にカボチャの料理をするお話です。
この絵本が誕生した背景には、ちょっと涙ぐんでしまうような話があるのですが、詳しくは、担当編集者さんの記事をぜひ。

絵本の中ですみれちゃんは、「お母さんはいつもこうやるの」と言って、カボチャを地面にたたきつけて割るのですね。
お母さん、すごい。

「よし、すみれちゃんありがとう、やってみるよ」
早速庭に出て、よいしょ、とやってみましたが、全然ダメ。
次に、給水栓のコンクリートの角を狙ってぶつけてみましたが、やっぱりポーンと跳ね返ってきました。
非力なのか…。

だんだん日も傾いてきて、何の因果でこのくそ寒い中、カボチャとキャッチボールをせないかんのか、という問いが頭をかすめます。
繰り返しますが、なんか白っぽくて作り物じみているカボチャ。
「これ、おいしいのかな?」の疑念が、だんだん「食べられるのかな?」に変わっていきます。

食べられないなら容赦は無用だぜ。
「よし、もうノコギリで切ってやろう」
そう思って工具箱を取り出したところで、ドライバーのセットが目に留まりました。
「そうだ、これを打ち込んでふたつに割ろう」
マイナスドライバーをガツンガツンと打ち込んだら、パカッ!!と気持ちよくふたつに割れる…はず。

しかし、予想外にマイナスドライバーは硬いはずの表皮に食い込んでいくばかりで。
結局、何か所にも打ち込むことになりました。
まるで鋼矢板の土留め工事。

悪戦苦闘の末、ようやく割れたのがこちら。

サイズをご確認ください
凸凹はマイナスドライバーを打ち込んだ跡 フランケンシュタイン状態

…ん?
なんか、予想外のカボチャ色。(きっと、白っぽいと思っていた)

そしてすんごく肉厚じゃないですか。
「もしかして食べられるのか?」と思いながら茹ででみたら、何とも芳醇な、いい色になりました。

いい色、そしていい艶 ほくほく

レーズンを混ぜて、カボチャサラダにしてみたら、あらオシャレさん。
そしてとてつもなく濃厚で美味しい。

モーニングプレート風に盛ってみました

ところで、一緒にもらったこっちのラグビーボール。
これもカボチャだそうです。

カボチャには見えない


半信半疑で切って(こちらは包丁で切れました)、茹でてみたらこの通り。
こちらはややサラリとしたお味、煮汁が良く沁み込みました。

このつやつや!!

人は見かけによらない、
カボチャは見かけによらない。

疑ってごめんよ、カボチャ。あきらめなくてよかった。

たくさん入っていたタネは、ビニール袋に入れて彩里へ持っていきました。
次もよろしくお願いしまーす。

#里山 , #京都 , #嵯峨 , #田舎暮らし , #半農半不動産業 , #株式会社彩里 , #たぬき , #絵本 , #ぐりとぐら , #カボチャ




いいなと思ったら応援しよう!