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骨の魅力にとり憑かれる_路上博物館はじまりました

「路上博物館」
という名前の企画をはじめました。
今日はそれが「はじまったよー」という宣言のブログです。

路上博物館は博物館にある骨格標本、つまり動物の骨をもっと面白がろう!という企画です。

(日本の博物館法では水族館や動物園、植物園も博物館に含まれている。僕も博物館と言う時は基本的に、水族館や動物園なども含む意味で使っている)

面白がる、というのは「使いみちを広げる」ということ。
使いみちが広がると「価値が多面化・向上する」ようになる。
なので、路上博物館は博物館にある動物の骨の価値を高めるプロジェクトと言えます。

きっかけは、1年ほど前の話。

道ばたでばったり、偶然「骨の人」と出会ったことに始まります。

いや、嘘みたいな本当の話。
こんな感じで、いたんですよ、文京区に。

路上博物館の原点

写真の人は森健人さん、国立科学博物館で働いている骨博士です。
路上博物館は彼が「博物館の標本はもっと多くの人に届ける価値がある!」と思って、骨を3Dスキャンしたデータをプリントして展示していたのが原点です。まさに「会いに来る博物館

それを見て、なんか面白くて。約1年かけてゆったりと「あーでもない、こーでもない」と森さんと話しをして動き出しました。

それが「路上博物館」です。

(森さんがやっていた路上パフォーマンスの名前を踏襲しているので、僕の中では区別したいときは「路上博物館 season2」と呼んだりしますが、基本的には路上博物館と呼んでいます。)

具体的に路上博物館では何をするのか?

路上博物館は、見るだけだった骨格標本をさわれる、動かせるようにするプロジェクトです。

路上博物館TOP

公式サイト

今、やろうとしていることは、日本全国のいろんな博物館に行ってそこの骨を3Dスキャンさせてもらい、一緒にミュージアムショップに並べる商品を作ることです。

まずは「骨ってかっこいい!」という価値をもっと具体的に検証してみたいな、と。

試しにTシャツにして妹に着てもらった写真

画像2

同時に路上博物館が大切にしている「標本に触れる・標本を動かす体験」を広めるために、いろんなところに出張展示をしたり3Dプリントした骨のレプリカを販売したいと思っています。

3Dプリントしたレプリカの販売は今年の前半にクラウドファンディングをしようかな、と。今はどの骨を第1弾にしようか考え中。興味あるって方はTwitterのフォローをお願いします。

世界と日本の博物館と3Dデータ事情

僕らがやっている博物館の骨格標本の3Dモデル化ですが、世界的には様々な博物館がすでにやっています。僕が探した中で一番古そうだった事例は、アメリカのスミソニアン博物館が3Dデータのサイトを公開したという2013年の記事でした。

米スミソニアン博物館、収蔵品の立体画像をネットで公開(2013年11月14日)

他には、3Dデータ投稿サイト「Sketchfab」ではメトロポリタン美術館大英博物館が収蔵品の3Dモデルのデータを公開しています。このエジプトっぽい像のデータは7.4k(7400回)もダウンロードされてます。

大英博物館の3Dデータ

3Dデータに限らず、画像データの公開の点数で見ればパブリックドメインで利用できる世界の絵画のリンク先をまとめたサイトによるとすでに500万枚を超えています。

一方、国内で探した感じだと3Dデータの公開は九州大学総合研究博物館(21種類)奈良文化財研究所(6種類)の2箇所が見つかりました。探せば博物館以外が公開しているデータも見つかりますが、それでも国内のデータ量は多くなさそうです。

この標本公開の流れにのっていきたい

世の中の流れとしてはたぶん博物館の所有する標本のデータが画像や3Dデータというカタチで公開されていく流れは止まることはないと思います。そう思っているので僕は路上博物館の企画を進めたいと思いました。

その中で路上博物館は、森さんが「骨の研究者」であり同時に「3Dモデルを作れる人」であることが強みになると思っています。路上博物館は、3Dモデルをアカデミックな背景を持った人が作れるので、「本物であること」に価値がある場所と相性がいいと思っています。

一方、僕らが狙っているマーケットは博物館のミュージアムショップです。日本動物園水族館協会の統計では、水族館と動物園には年間で合計7,000万人が訪れています。また、かごしま水族館のデータによると、1日平均1,800人ほどが訪れ、そのうちの24%がミュージアムショップで買い物をします。

ここを「博物館」から「家庭」へ展示を延長させる突破口として活用したい。それが路上博物館が狙っている「会いに来る博物館」の姿です。

2020年はいろんな博物館に行きたい

ということで、2020年はとにかくいろんな博物館に行きたいと思っています。博物館には水族館や動物園も含まれています。今は森さんが「動物の骨博士」なので、動物の骨格標本を持っている場所を優先して考えていますが、路上博物館の未来には文化財や植物なんかもカバーできるようになりたいと思っています。

もし周りで「博物館の人とつながってるよ!」とかあればぜひお知らせください。もしくは「私、実は骨が好きなんだ」って人、基本的にかばんの中に何かしらの動物の頭骨を持って歩いている(もちろん3Dプリントしたもの)ので、お会いしたときに声をかけてください。ぜひ骨トークしましょう。

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齋藤商店
齋藤商店の公式noteです。公式サイトはこちら(https://sites.google.com/view/saito-md/)です。