「結婚に価値はないです」vol.8 WK氏
1月8日のNHKのWEBで
「必ずしも結婚する必要ない」7割近くに NHK調査
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190108/k10011770391000.html
という結果が出ており、個人的にもそうだよなあと思います。
もはや結婚はマストなことではない、それが一般化されています。
そうはいっても結婚したい人と思っている人、しなきゃマズいと思っている人はいて、結婚相談所の広告は百花繚乱(個人的に大好きなものがあります)……ニーズがあるように思いますが、どうでしょう。
これまで私の友人にインタビューをお願いしてきた関係で、必然的にアラフォー世代が中心となっていましたが、今回のお話は20代前半の非婚女性です。
アラフォーの価値観とはまた違った新しい結婚観、家族観が見えてきました。
※未婚、独身、結婚していないというワードがもつ雰囲気は、結婚あたりまえというニオイがします。ここでは、えらびとって結婚しない場合、非婚というワードを使っていきます。
「結婚に価値はないです」WK氏インタビュー
―結婚についてのイメージを教えてください。将来自分は結婚すると思う?
自分からはしないと思う。
好きな人ができて、一緒にいたいと思って、社会の型にはめる必要があるならするかもしれないけど……。
私は考え方がちょっと変わっていると思うから、好きで付き合った人が結婚を求めるなら、受け身で「いいよ」とは言うと思います。
でも一生一緒にいたいと思っても、それがイコール結婚になるとは思わないです。
―結婚の必要性を感じない?
はい。家族のまとまりを表す言葉として「結婚」という言葉を持ち出すこと自体が疑問です。
家族は結婚から成り立っていると考えがちな社会に違和感を覚えているというか。
結婚していると、「しっかりしている」と思われるじゃないですか。それに違和感があって、結婚という言葉にある概念が古いと思う。新しくしていかないといけないと思いますね。
学生のとき、「〇〇大の人ってこうだよね」とひとくくりにされて個として見られないのがイヤでした。
同じように「社会的な地位が高い人がいい」みたいな考え方の人がいて、男の人は特に学歴とか就職した会社を見てその人を決めつけますが、そういう風に人を判断したくないんです。
だから結婚しているから〇〇、していないから〇〇と言われてしまうことに疑問があります。
―人を肩書では見たくない?
人を年収やスペックでは見ていないですね。
―入籍しなくても事実婚というカタチもあるよね?
そう、時代的に今の結婚制度が必要なくなってると思う。事実婚もあるし、個人の時代なんじゃないかなって。
昔の女性は稼げなかったりするから結婚によって生計を立てていたと思うけど、今は違うから。私は金銭的に男性に頼ったり、社会的に頼ることはしたくないので、必要性を感じないですね。
結婚に価値がないです。
―さっき出た話で「社会的に必要なら結婚する」の、社会的に必要とはどういう意味かな?
たとえばマイナンバーをつくるにあたって、強制的に番号を振り分けられるとかそういう感じです。
あとは……婚姻関係がないと、病院で伴侶が死にかけたときに面会できないって聞くから、そういうときには必要かも。
―子どもは欲しいと思うことはある?
半年前の自分は……私は小さな頃から幸せじゃなかったら、お母さんに「なんで生んだの?」と憎しみを抱いていて。私は自分が幸せになるなんて思ってなかったし、自分の遺伝子を残したくない、不幸な子を作りたくないと思っていました。
―子どもを生んだら、その子が不幸になってしまうと思っていた?
生まれて、この世界に生まれてきたら不幸になるしかないと思っていて、不幸にさせることしかできないなら、生むことは罪だなって。
多くの母親は子どもに対して「かわいい」って言うけど、ぜったい思えないだろうな、「かわいそうだな」と思いそうだなと。子どもは自分の分身だし……。
―いま考えは変わった?
いまは、好きな人の子を生みたいと思った。
うつを克服できたから、周りの人からの思いやりを感じるんですよ。親に対していままで憎しみとか悪い感情だけしかなかったけど、感謝できるようになってきて。
自分のことをやっと大切にできるように、肯定できるようになってきました。
―子どもを生みたいと思うようになったんだね。
すっごい生みたいです。かわいく思えるから。
私は自分を救うために、子育てのことや教育のことを勉強したんですよ。
その長年のノウハウを今の子どもたちに活かしたら、社会的にいいことができるという自負があります。
―例えばどういうことが生かせるのかな?
最近、先生の仕事も入ってきて、教える立場になりました。
その子たちは不登校だったり、悩みを抱える子たちで、昔の私のような感じで。
私は親とうまくいってなくて悩んでいたり、幸せじゃない子に対しての気持ちがすごく分かるから、寄り添ってあげられる。その子に必要な言葉をかけてあげられるんです。
―同じ経験をしているから寄り添うことに真実味がありそうだね。
みんな、才能にあふれていて、かわいいんですよ!
今の私が小さな子や辛い思いをしている子へ声をかけて、救ってあげられるフェーズになったから、そうやって接していきたいと思います。
あと、自分の子を作って育てなきゃいけないという使命感も出てきました。
(占い系の未来や過去が)見える人には、「子ども時代に不幸だったからこそ、愛情たっぷりに子どもを育てるようになるよ」と言われました(笑)。だから愛をあげたいと思う。
―私は、子どもを持つことと結婚を結び付けてしまうんだけど、その関連性はない?
結婚という社会制度を詳しく学んでなくて、知らないから、必要性を感じてないです。
「制度的なものに従っていかなきゃいけないの?」という感じて、妻という肩書に対して価値を感じていないので。
未婚の母といわれようが、結婚していようがしてなかろうが関係ないと思います。
―他人の目は気にならない?
はい、そういう人とつるんでないので。
……私はまだ甘いんだと思います。でも世間体を気にするのはイヤで、どうだっていいと思います。型にはめられるのが嫌いなんですね。
―好きな人と一緒に生きていくとして、相手に望むことはある?
好きになったら、何も望まないです。浮気されてもいい。
―浮気されてもいいんだ(笑)?
人の心は変わるもので縛れないじゃないですか。自分のことずっと好きでいて、というのはおこがましいと思う。
浮気をした時点で、気持ちが離れているので、縛り付けることを言っても無駄だなって。
浮気したこと、それが答えだから、享受します。彼が浮気するくらい自分に魅力がなかったと思って。悲しむだろうがしょうがないですよね。
―彼の浮気は自分のせい?
これも自分の学びであるというか……そういう人を選んでしまった自分にも責任があって、自分に問題があったということだな、と思います。
浮気することを見抜けずに好きになった自分に落ち度があると思います。
―WK氏は浮気はすると思う?
自分は絶対しないですね。侍みたいなタイプだから(笑)。
契約というか、付き合うと決めて好きで付き合ってるわけだから、浮気は無理です。
―侍だね(笑)。
一回約束ごとをしたら破れないんですよ。破ったら切腹だと思ってます(笑)。
彼が好きなのに、彼が悲しむことは絶対したくないです。人を悲しませることは絶対したくないですね。
―じゃあ、自分が好きな相手にできることは?
すべて、何でもします。変幻自在の水のイメージです。
彼が求めないなら何もしない、彼が求めるなら何でもします。
―好きな人と一緒にいるうえで大事なのはどんなことかな?
一番は思いやり。あと仕事や人生観ですね。
私は世の中をデザインで笑顔にしたいので、悲しみを生み出す関係にはなりたくない。
あったかくてステキな関係をつむぐ関係でいたいから……あったかいコミュニケーションができる関係が何より大事だと思います。
―素敵だね。
実は私、2年前にリストを作っていたんですよ。
理想の人の特長を言語化して100個かいておくと、自覚するからおのずと出会えるというもので……そしたら目の前に、ぴったりの人が現れたんです!
―すごいそれ(笑)!
目がやさしくて、ロングカーディガンが似合って……
―そんな細かいことまで(笑)!
もうぜんぶ当てはまるんですよ!
―その人のことはなんで好きなの?
彼の言葉が好きですね。やさしい、あったかい、言われてうれしいことばを言ってくれて。
「これから先、一緒に仕事できるといいな」と言ってくれたのがプロポーズよりうれしくて。
―すごい、プロポーズを超えてきた(笑)。
彼がつむぐ言葉が好きなんですけど、言葉になる前の過程で、最初に心が揺れ動いて、気持ちがあって、それが言語化されるわけじゃないですか。
だから、その人の言葉が好きなのは、その人の気持ちが好きってことなんですよ。
同じものを見ても人によって思うことが違う、それが個性だから、その気持ちが好きなんだなと思いました。会ったあと、心がポカポカするんですよ~!
目が一番きれいだと思う。
※ここから先は女子トークになったので割愛します。
私が気になったのは、浮気される方に落ち度があるのかどうか。
自分へ向けるならサムライ魂のような潔さを感じますが、他人に向けると刃となります。
いや、時に自分への刃となるかもしれません。
人の心は縛れないもの。
その通りです。
縛れないからすれ違うし、当人たちの想像をはるかに超えて共鳴し、反応するのでしょう。
なにやら諸行無常の響きアリ、この真理は浮気、不倫、パートナーシップに続く道……深いテーマだと思いました。