40中14名が感染しクラスターになった介護施設を経営している私が伝えること①
私が運営する介護事業所のひとつ『よろこぼう屋』。ここを新型コロナウイルスのクラスターが襲ったのは2022年3月のこと。
介護施設でのコロナクラスターは想像以上に大変でしたが、スタッフみんなで力を合わせ乗り切りました。そこからの学びも多かったです。
そのときの記録を、6回に渡って書き残します。これは自身の記録であるものの、いつか誰かのお役に立つことがあれば幸いだと感じます。
初稿の今回は『世界を襲った新型コロナウイルスの概要の記録』と『介護事業所の概要』について。
日本に蔓延したコロナ禍
2019年12月上旬、中国の武漢市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染が報告されました。
そこから数か月ほどで、世界中にウイルスが蔓延。
もちろん日本にも、その猛威がやって来ました。
国内最初の感染者は2020年1月15日に確認。政府も子ども達への休校対策や各地の蔓延防止、また給付金の配布などを実施しました。数々の対策に何度も打って出ていたように思います。
そんな中で、早急なワクチンの開発も進みます。接種が開始されても暫くは、国民の多くは躊躇していました。しかしやがて、国の施策やメディアの力によって早急なワクチン接種が普及・拡充しました。
ただ、ワクチン接種が進んでも新型コロナウイルスが急速に落ち着くことはありません。ウイルスは変異を続けて人々を襲い続け、現在2022年7月にも未だ終息は見せていません。
一方で、2022年のゴールデンウィークは、コロナ禍になって初めて(3年ぶり)の、行動制限無き連休となりました。国も民も、長引くコロナ禍でウイルスとの共生を目指すようになった雰囲気が国内に漂い始めたのです。
コロナクラスターとなった、サービス付き高齢者住宅の概要
私は今現在、3つの介護事業を運営しています。その内のひとつ、島根県江津市にある『有限会社よろこぼう屋』にて、クラスターが起こりました。2022年3月のことです。
よろこぼう屋のスタッフは、常時50人前後。
それぞれが、以下の5つの事業に取り組みます。
クラスターが起きたのは、上記より『サービス付き高齢者住宅』
ここでは、約30人弱の利用者の方々が暮らします。
一般的に考えて、サービス付き高齢者住宅と言えば比較的『自立している人』が生活する介護施設と捉えられます。
ただ、よろこぼう屋はそうではありません。開所後17年が経ちますが、その間に住んでいる方々も年齢を重ね、重度と言われる方々も生活をしています。
前社長から引き継ぐ『よろこぼう屋』の方針
よろこぼう屋のある島根県江津市は、少子高齢化の進む小さな街。
この街で介護を担う社会福祉法人はいくつかありますが、よろこぼう屋のような多岐に渡る業務を担う民間の介護事業所がとても少ないのが特徴です。
社会福祉法人は、地域に根差した取り組みを出来る良さがあります。しかし、都道府県(政令指定都市や中核市の場合は市)の認可が必要なために、事業の内容にも定めがあります。そのため、生活に困難さを抱える重度介護支援を必要とする方々を抱えきれないのが現実です。
よろこぼう屋の前社長は、そうした支援の手が届いて来ない方々に手を差し伸べたい思いが強い人でした。その方針に行政も少なから期待はしてくれていて『よろこぼう屋であれば何とかしてくれる』と思われている様子が見てとれました。
そのように『最後の砦』的に期待されてきた会社の在り方を、私も引き継ぎたいと思い今に至ります。
そんな『よろこぼう屋』を新型コロナウイルスのクラスターが襲ったのは、2022年春の訪れが近いころでした。
続は次回に。
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