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40中14名が感染しクラスターになった介護施設を経営している私が伝えること②

島根県江津市にある、サービス付き高齢者住宅施設『よろこぼう屋』。ここで、新型コロナウイルスによるクラスターが発生したのは2022年3月のこと。

よろこぼう屋の運営者として、その壮絶だった記録を6回に分けて綴っています。

今回は第2回。職員の新型コロナウイルス感染の連絡が私の元へ届いた日のことを書き綴ります。

職員からの電話が始まりだった

2022年3月13日(日)昼前。
休日だった私の元に、職員から一本の電話が入りました。
『新型コロナウイルスに感染した』と。

よろこぼう屋のサービス付き高齢者住宅で働く職員が、朝から発熱していてPCR検査を行ったところ陽性だったとのこと。

その頃、島根県でも新型コロナウイルスの感染が拡大していたこともあり、いつ誰が感染者となってもおかしくない状況だとは身構えていました。身構えるとは気持ちだけではなく、入居者・職員共に3回目のワクチンを接種も終えて出来る対策は打っていました。それもあってか、電話を受けたときは『とうとう、来た』と、思いました。

その後、他の職員とも電話のやり取りをする中、現場の動揺が伝わってきました。

ただ、私はそのとき現場に居なかったものだから、正直なところ実感が沸かないままで事実を受けとめていました。

よろこぼう屋へ向かうと、混乱が待っていた

報告を受けた私は、江津市へ向かう準備をしますが現場に向かえたのは午後14時過ぎ。

と言うのも、私はよろこぼう屋のある江津市の隣、浜田市に住んでいます。その日は休日で私用をしていたこともあり、現地到着に思いのほか時間がかかってしまいました。

現場に到着すると、現場の混乱がすぐさま伝わってきました。

私は介護事業所を3ヶ所運営しています。それぞれで『新型コロナウイルス感染者が出た場合のマニュアル』は作成してありました。ただ、いざとなると全くその通りに行きません。

事前にシュミレーションもしていたのですが、有事の際には何をしていいのか分からなくなるものだと身を以て実感しました。

ウイルスは、目に見えないから恐怖が募ります。
日曜日ということもあり職員の人手も足りません。
その太刀打ち出来ない状況に、みんなが困惑し続けました。

出来ることから、ひとつずつ

保健所からは、地域への公表を控えるように云われました。
混乱を招かないようにするためです。

その中で、出来ることからひとつずつ行いました。

まず、よろこぼう屋の高齢者住宅からデイサービスに行っている人もいたので、連絡を入れて帰ってもらいました。また、付き合いのある介護関係の事業所や医療機関にも感染者が出たとことを伝えました。事実、日曜日だったこともあり出来ることはそう多くなかったです。そのため、後日連絡となったところもあります。

ただ、よろこぼう屋の中は不安が募り続けていました。
誰もが困惑していました。
職場全体に焦燥感が漂っていました。

慌ただしかった、一日が終わる

見えないウイルスに何をすればいいのか不安を募らせながら、ただ出来ることをして一日が慌ただしく終わっていきました。

ただ、大変さに拍車がかかったのはここからです。

続は次回に。

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