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「人生に意味はない」イーロン・マスクのインタビュー

「意味」というのは、私たちが何かを達成しようとするときの報酬のようなものです。たとえば、何かに価値を感じたり、目標に向かって進んだりするとき、脳の中で「ドーパミン」というやる気を引き出す物質が分泌されます。これが「インセンティブ報酬」と呼ばれるものです。このおかげで、私たちは前に進もうとするんですね。

カール・フリストンという科学者は、私たちの脳が常に「エントロピー」、つまり無秩序や混乱を最小限に抑えようとしていると言っています。簡単に言うと、脳は不確実性や不安をできるだけ減らそうとする性質があるのです。

ネガティブな感情、たとえば不安や恐れは、このエントロピー(混乱)が増えているサインです。一方、ポジティブな感情は、脳がうまく秩序を取り戻しているサインで、ドーパミンが関わっていると考えられます。

そして、設定した目標が難しいほど、その挑戦のプロセス自体に大きな価値が生まれます。つまり、難しいことに挑戦するほど、達成に向かう一歩一歩がより重要で、意味があるものに感じられるのです。

もっとも大きな目標を設定すると、その目標に近づくたびに、その過程自体も深い意味を持つようになるというわけです。

高い目標を設定すると、それを達成するまでに多くの未知の要素や不確実な出来事に直面するため、目標達成の途中でエントロピーが一時的に増えることがあります。たとえば、課題が複雑になったり、新しいスキルを学ぶ必要があったりすると、情報量が増えて混乱を感じることがあります。これがエントロピーの増大に関連しています。

しかし、プロセス自体に意味を見出すこと、つまり各ステップに価値や方向性を感じることができれば、その混乱や不確実性(エントロピー)を管理し、秩序を取り戻すことができます。目標に近づけば近づくほど、プロセスの各段階が明確になり、秩序が生まれ、エントロピーは減少します。この過程で、脳はドーパミンを放出し、ポジティブな感情が生まれます。

つまり、目標に向かう過程で一時的にエントロピーが増えることはあるものの、最終的にはその過程に意味を見出し、エントロピーを減少させていくという流れが考えられます。


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