詩 ・ 雨色


雨色にしてるの
たまねぎを
そういったの わからなくて
あたまのうえに毛がたったみたいに
ふるえた
いためていためて
なみだになる
そんなふうに つらい
ことばかりおもいだして
たくさんの小銭みたいな
ガスのおと
だれかをつかまえた
だいじなこころの 握力がよわくて
ふうせんが
まいあがる
かわりにつかんだ すすきの穂を
だいじにして だいじにして
かわりだなんて いえなかった
あめがたくさんふる 糸なら
あやうく つかんでみたい
そのとき つかんだものを
記憶のなかの あなたに
あげて
あげて
ならなかった
みたかった
あげて 雨色




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