【研究メモ】主観的・社会的現実を規定する”暗黙の要素”をどの様に捉えるか?~フリック(2011)新版 質的研究入門第6章 「理論的立場」の整理 [ Vol. 03 ; 構造主義的モデル-客観的解釈学 ] からの学び
フリック(2011) 『質的研究入門』 第6章 理論的立場 も、
「主観的意味:象徴的相互行為論[シンボリック相互作用論]」
「社会的現実の形成:エスノメソドロジー」
ときて、
「社会的・主観的現実の文化的枠付け:構造主義的モデル」
という第3の立場まできました。
6章に入ってから、相変わらず、五里霧中な日々が続いています(苦笑)
明けない夜はない、晴れない霧はないと信じて、ネガティブケーパビリティを最大限発揮しながら、読み進めたいと思います!
▽▽▽
構造主義的モデルにもいくつかのアプローチがあるみたいですが、
共通点としては・・・
構造主義的モデルの代表的な手法として、客観的解釈学(objective hermeneutics) について、本書の中で紹介されていました。
本書の中では例示が少ないので、あっているか不安な部分もあるのですが、個人的には、組織開発でよく用いられる「氷山モデル」の例を思い浮かべました。
普段の業務においては、意図や主観によって認知が可能な、行動や結果(海上の部分)にばかりフォーカスが当たりがちですが、実際には、目に見えない、無意識の前提となっている国民文化や組織文化(海中の部分)から大きな影響を受けているというモデルですね。
普段の業務が、認知しやすい、目に見えるものを中心に扱いやすいので、バランスを取るためにも、普段意識しない、無意識の前提も考慮にいれるのは大事なことだと思います。
ただ、現実の事象は非常に複雑なので、”意味構造”を掴んだといっても、現実に影響を与えているある一部分であったり、そもそも、意味構造を明示的に特定できない場合もあるのに、安易に理解できたと勘違いしていなかったかな?と、ちょっと思考が進みました。
普段よく使う手法に対する批判的な観点について触れる・学ぶことも、とっても大事ですね。こういうプロセスを通じて、研究において物事を捉える視点や、実際の現場で、介入等を行うアプローチも、ブラッシュアップされていくなと感じます。
質的研究の理論に関する他の書籍も同時に読んでいるので、そこで例示されている内容も確認していきたい!