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【#123_研究メモ】改めて考える、スリー・サークル・モデルと、エージェンシー理論の意味合い~淺羽・山野井(2022)第1章 「ファミリー企業の理論」からの学び vol.01

淺羽先生・山野井先生(2022)『ファミリー企業の戦略原理』「第1章 ファミリー企業の理論」では、ファミリー企業を考える上で重要な、モデルと理論について整理されています。

”ファミリー企業”という存在の成り立ちを考えたとき、研究のアプローチが大きく2分されるという、Jennings, Breitkreuz & James(2014)の紹介も学びが大きかったです。

学問的にどの様な領域から影響を受けているのか? 分解して、深めていく視点も重要ですね。

まずは、スリー・サークル・モデルとエージェンシー理論から。
この二つは、ファミリー企業研究では、本当によく見る理論です。

“ファミリービジネスの事業承継研究”を始めた初期の頃は、書籍もよく読んでいたのですが、最近は、論文ベースだったので、改めて、理論をきっちり整理してくださっている本章を読み、断片的だった知識が繋がる・理解が深まる感覚がありました。ありがたいです。モデル・理論って、すごいですね。佐藤先生が整理してくださった中範囲理論の書籍に触れてから、引き出しをすごい増やしたくなっています(笑)

エージェンシー理論についても、スリー・サークル・モデルとセットで見ることで、ファミリー企業文脈での理解がより深まりました。

ファミリー企業が持つ、強みを伸ばしつつ、課題化しやすいところを、
仕組みを用いることで、軌道修正しやすくしておくことが重要ですね。

そもそも、この”仕組みを導入する”ということも、所有と経営が一致しているファミリー企業においては、簡単なことではない気がします。その時々の、経営者の方の考え方に依存するところは大きいと思いますが、基本的には自分のパワーを抑制するような仕組み(ガバナンス)に、前向きな方は少ないような気がします・・・会社の業績や、金融機関等のステークホルダー等々、タイミングと様々な関りがうまくハマったときに、ガバナンスの仕組みが整えられていくのかなとも・・・誰の目線から語るかで、まったく捉え方も変わってくる気がしますが、そのタイミングを逃さず、いかにうまく活用できるかも重要ですね。

#ファミリービジネス
#同族企業
#FamilyBusiness

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