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【研究メモ】理論を学ぶことは、実践的な取り組みの意図についての理解も深める! ~ フリック(2011)『質的研究入門』 第6章 理論的立場 からの学び Vol.02; エスノメソドロジー、会話分析、ディスコース心理学

フリック(2011)『質的研究入門』 第6章 理論的立場 の続きです。

今日は、エスノメソドロジーから。

象徴的相互行為論(シンボリック相互作用論)が、「主観」にフォーカスした理論であるのとは対照的に、エスノメソドロジーは、現実を生み出す「ローカルな文脈」や、その意味が付与される「構造」にフォーカスして見える化しようとする理解です。

組織開発のアクティビティのなかで、MTGの参与観察というものがありますが、これは、特別なイベントというより、日常に近い日々の営みを見ることで、各人の立ち振る舞いに影響を与える、その場に暗黙の内に埋め込まれている構造を見える化することを指しているのですが、本書を読んで、裏付けにある理論についてさらに理解が進みました(例:最も上位者が発言するまで、みんな口火を切らない。発言した後は、みんな上位者の顔を伺う。若者は、発言しない! というような立ち振る舞いは、先天的なものではなく、日々の職場でのやり取りの中で、学習された、職場にある構造から影響を受け、”組織化”されたものです)。

そして、会話分析から派生し、「ディスコース心理学」が発展しました。

ここで用いられるディスコースという概念は、組織開発の中でも、
特に、対話型組織開発のなかで重要視されています。

マーシャック、ブッシュ(2018)『対話型組織開発』では、「言葉が、それが語られた文脈の中で何を意味し、どう意味づけられているかを指す」ディスコースの事例として「残業」という言葉について説明されています(「当たり前」という存在から「非効率」といった意味づけの変化)。

理論的な理解が進むと、普段、すでに取り組んでいたアクションの意図やその手法を進める際に大事にしたいポイントについても、解像度が高まりますね! ディスコース心理学とかは、特に、個別に深めていきたい領域です。

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