【研究メモ】質的研究においてなぜ・どの様に倫理に配慮する必要があるのか?~フリック(2011) 新版 質的研究入門 <人間の科学>のための方法論:第4章 「質的研究の倫理」[前半] の整理
フリック(2011)『質的研究入門』の第4章は、「質的研究の倫理」です。
質的研究においてなぜ・どの様に倫理に配慮する必要があるのか?が主なテーマとなっています。
量であれ、質であれ、経営学的な研究であっても、医学的・臨床心理学的な領域に近いテーマを扱う際は、倫理審査が求められますし、今後、ますます、分析対象者の利益を損なわないということは、大事なテーマになっていきますね。
少し観点は異なりますが、分析に協力してくださった方々に、間接的であれ、研究を通じて見いだされた知見をお返しすることの重要性を強く感じます。
一番最初の大学院では、平和学/ 開発学を学んでいて、ブータンという国の地方分権/ 開発哲学について研究していました。
JICAのインターンとして3か月くらいブータンにいたのですが、その時のメンターや現地のスタッフの方からいただいた言葉が今でも記憶に残っています。
「研究者は、現地の協力を得ながら、データを収集し、業績を上げ、利益を得るが、それが現場に還元されない」
原文ママではないですが、そのような内容でした。この言葉は20年近く経った今でも心に残っています。
師匠の立教大学 中原淳先生も、「この研究は、誰に、どんな知見を届けたいの?」 ということを、繰り返し、繰り返し、問いかけてくださっています。
マーフイー&ディングウォールは、研究倫理で重要な4点の、一つに、「有益性」をあげています。調査対象者の保護とともに、大切にしていきたい観点です!
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