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【#157_実践メモ】 「思いやりのコーチング」で加速する成長 ― 新たなアプローチの学びと実践がスタート~意図的変革理論に基づくコーチング・トレーニング Day1 からの学び
※画像は、Unlock社 Webサイトより
この数年、対人支援の実務家として新しい学びを得られていない”閉塞感”のようなものがありました。もちろん、書籍や論文は、読み続けていましたし、日々の現場実践の中で、新しいことにもチャレンジし続けてきた感覚はあります。
ただ、どこか既存の知識やスキル、経験の中での取り組みになっており(それ自体が悪いわけではないのですが苦笑)、自分自身、新しいことを学び、実践してみたいというモチベーションが高まっていたのかもしれません。
そんなとき出会ったのが、2024年4月に出版されたケース・ウェスタン・リザーブ大学のリチャード・ボヤツィス 他 『成長を支援するということ-「「ありたい姿」から変化を生むコーチングの原則』です。
友人と読書会を企画し、みんなで本書の内容をシェアしながら、あーだ、こーだ、お話したい! と思ったタイミングで、本書を監訳された和田さん・内山さんとご縁をいただき、読書会にもご参加いただけました!本書で重視されている「思いやりのコーチング」についての背景的な知識や、翻訳の裏話についても伺うことができた、リッチな時間でした。
※読書会の様子
※各章の簡単なまとめ
英語で書かれた抽象度の高い内容を、日本語にする難しさは半端ないかと思います。実は、英語の書籍も買ってはいたのですが、ずっと積読になってました苦笑 日本語で深く思考しながら読める機会を創ってくださり、ありがとうございました!
しかも、本書が提唱する、「思いやりのコーチング」 とその土台となっているボヤツィス教授の、意図的変革理論(ICT:Intentional Change Theory)や、感情知性(Emotional Intelligence)について、学べるトレーニングを、和田さん・内山さんが創業された合同会社 Unlockさんで、提供されています。
そこで、新しい学びを得るべく、トレーニングに参加させていただくことにしました。
今日が全5回のプログラムの初回、Day1でした!!
いや~ 初回から、たくさんの学びと刺激と癒しが混在する、すてきな時間でした。
思いやりのコーチングは、端的にいうと、
自分ができていないという、怖れや不安にフォーカスするのではなく、自分のビジョンをクリアにし、強みを活かし、周囲のサポートを得ながら、成長を促していく取り組み。長期的な夢やビジョンからエネルギーを引き出し、変化に向けての取り組んでいくことを支援するアプローチ
です。
書籍は、読書会も企画し、みんなで読んでいたので、内容的にはある程度理解していました。ですが、トレーニングに実際に参加して、本書には含まれていない関連する情報や、和田さん、内山さんが現場実践を積み重ねられている中から得られた実践知、後は、他の参加者のみなさんの経験豊富な実務経験からの知見や異なる視点の共有など、一人で読んでいるだけだと、絶対に到達できないであろう、深い理解が促されました。コミュニティで学ぶこのと意義や重要性についても改めて感じる時間になりました。
個人的に、Day1の大きな学びとしては、「ゴール」と「ビジョン」の違いについて、改めて考えられたことです。ゴールは、静的な印象というか、達成してしまえば、その時点で終了ですが、ビジョンは、ありたい姿なので、達成するということがなく、一度言語化しても、環境の変化や、自分自身の成長とともに、どんどん書き換えられていくものです。その意味では、「道」の考え方とも近く、人生をかけて探求していくものなのかも知れません。
思いやりのコーチングや、ICTについての説明の後、ペア・インタビューワークがありました。和田さんとペアだったのですが、和田さんのビジョンやその背景にある想い、実践されている強みついて触れる中で、自分もエネルギーをいただく感覚がありました。ビジョンのポジティブなエネルギーは、人にも伝わっていくのですね。
本書の中では、「共鳴する関係」という、ビジョンの実現をサポートし合う、ピア・コミュニティの存在が重要視されているのですが、それを深く感じました。日々、忙しい中で時には、ビジョンとの接続が離れてしまうこともあるかと思います。一人だと、なかなかリカバリーが難しくても、仲間との対話の中で、また繋がりが再構築されていく。そんな時間を定期的に持つ必要性を強く感じました。
インタビューワークの中で、「12年後に実現している理想の人生はどんな感じか?」という問いがあったのですが、考えるだけで、エネルギーが沸いてくる問いでした。12年後、自分は、55歳!になっているのですが、そのときの自分はどんな感じかな? 家族や友人とどんな時間を大切にしながら、どんな仕事をしているのか? をイメージすることで、ビジョンの解像度があがります。そして、今後自分が必要な取り組みについても、具体化されて、実行に向けてのエネルギーが高まっていきます。
「思いやりのコーチング」は、”アクセルの踏み込み方”を学ぶイメージを持ちました。これまでも、ビジョンを持つ重要性は理解しながらも、コーチングや組織開発の実践の中で、自分にブレーキをかける要因をどう取り除くか?(プロセスワークのエッジや、キーガンの強固な固定観念)に、フォーカスが行きやすかったなと感じています。”ブレーキの外し方”について向き合う感覚です。もちろん、それも大事な観点なのですが、”ブレーキの外し方”と”アクセルの踏み込み方”の両方を知ることで、到達したポイントが明確になり(精度が高まり)、より変容のプロセスが加速化していくような感覚です。
トレーニングは残り4回。自分がコーチングを受ける機会や、逆に、トレーニングとして、コーチングをやらせてもらう機会もあるようなので、他の参加者のみなさんとの対話も踏まえながら、形式知と実践知をどう融合していけるか、とっても楽しみです!