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私を覆う漆黒の夜。


最近、中二病というワードをあまり聞かなくなったのは私だけなのか、それとも死語に近づいているのかは分かりませんが、概念としてはなかなか面白い言葉だと思います。

(もともと伊集院光のラジオから生まれた言葉だとか聞いたことがありますが、本当かどうかまでは分かりません。)

中二病の意味はご存知の通り、思春期特有の現実と非現実の混ざった思考や行動のことを指す言葉です。

今回のブログのタイトルはまさに中二病、という雰囲気がありますよね。


これを書いている今現在もコロナのニュースが情報の多くを占めています。

コロナの影響はビジネス的に考えれば、直撃している方、そこまででもない方、逆に特需がきている方など、いろんな方がいらっしゃると思います。

どの状況にせよコロナウィルスの感染に関しては、全国民どころか世界中の人間が気を付けなければいけない時です。


タイトルの言葉は、ウィリアム・アーネスト・ヘンリー(1903年没)の詩、インビクタスの冒頭部分です。

この詩はアパルトヘイトの撤廃に生涯を捧げノーベル平和賞を受賞した、ネルソン・マンデラ氏(2013年没)が27年の獄中生活の支えにしていたというものです。

彼はその反アパルトヘイト活動の中で、国家反逆罪により終身刑を受け、1964年より服役します。

27年の後の1990年に釈放され、南アフリカ初の全人種が参加した選挙で大統領に。その活動はアパルトヘイトの撤廃のみならず、現在の南アフリカがBRICSの一端を担う礎を築いたとも考えられています。


私たちもこの自粛の期間、ネルソン・マンデラ氏がその長い獄中生活で様々な時間を過ごしていたように(彼に及ぶ及ばないにせよ)、

オンラインレッスンをしてみたり、全く別の新しい仕事をしてみたり、勉強をしたり、逆に今まで仕事に忙殺されていた方は、家族との時間をゆっくり過ごしたり……。いろんなことをされている方がいると思います。

もちろん感染してしまい大変な思いをしている方や、その周りの家族や友人、医療従事者の方もいるでしょう。


どのような状況でどのような行動を取るのであれ、いま大切なのは自分が将来に渡りやるべき軸を、幹を、しっかりとすることなのだろうと思います。

オンラインレッスンや別の仕事、勉強、家族との時間、忙殺、闘病……。
どんな時間の使い方でも、その幹を支え枝葉が広げていければ良いのだと私は思います。


しかしそれは、ネルソン・マンデラ氏のような鋼の精神の超人ですら、この詩の支えがなければ幹が折れていたことなのかもしれません。


あなたの支えになるものはなんでしょうか。

ぜひこの詩も、一度読んでみてください。



「インビクタス」 ウィリアム・アーネスト・ヘンリー

私を覆う漆黒の夜

鉄格子にひそむ奈落の闇

私はあらゆる神に感謝する

我が魂が征服されぬことを

無惨な状況においてさえ

私はひるみも叫びもしなかった

運命に打ちのめされ

血を流しても

決して屈服はしない

激しい怒りと涙の彼方に

恐ろしい死が浮かび上がる

だが、長きにわたる脅しを受けてなお

私は何ひとつ恐れはしない

門がいかに狭かろうと

いかなる罰に苦しめられようと

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ


「INVICTUS   William Ernest Henley」

Out of the night that covers me,

Black as the Pit from pole to pole,

I thank whatever gods may be

For my unconquerable soul.

In the fell clutch of circumstance

I have not winced nor cried aloud.

Under the bludgeonings of chance

My head is bloody, but unbowed.

Beyond this place of wrath and tears

Looms but the Horror of the shade,

And yet the menace of the years

Finds, and shall find, me unafraid.

It matters not how strait the gate,

How charged with punishments the scroll.

I am the master of my fate:

I am the captain of my soul.




染谷 清行

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