40代は思っていたより悩みごとが多い。だからこそ楽しいのかもしれない。
人の数だけ人生のドラマがあり、幸せや楽しみと同じだけ悩みがあり、葛藤があります。ひとくくりにできないとはわかりつつ、その年代だから悩みやすいと思われることはある程度カタマリがあるはずです。
│ saitaオリジナル連載小説スタート
こんばんは、saita編集部の田中です。
saitaは40歳前後の女性の気持ちに共感し、寄り添いたいという想いからリニューアルした背景があります。40歳前後の揺れる気持ちに寄り添うひとつの方法として、小説という形を考えました。
タイトルは『漂うわたし』。
結婚、出産により人生が揺さぶられる可能性が大きい女性は「漂う」ことが多いよね、という会話からこのタイトルになりました。「漂うわたし」はしっくりくるのに、「漂うオレ」はあまりしっくりこない感じがするのも女性の人生を象徴しているように感じています。
saitaの読者像から、「家族は?」「仕事は?」「幸せを感じる時はどんなとき?」と自由に想像をふくらませた結果生まれた3人のアラフォー女性が主人公です。
1人目の主人公の「佐藤千佳子」は専業主婦。東北で生まれ育った千佳子の望みは都会に出ること、結婚、そして出産。結婚して神奈川(千佳子にとってはほぼ東京)に出てきた。娘が生まれたことで、不妊の悩みからも開放された。望みはすべてかなえられたはずだった。でも「ママはやりたいことないの?」という娘の何気ない一言に「このままじゃダメ?」とアイデンティティが揺らぐ…
2人目の主人公「伊澤直美」は同期入社の夫と共働き。掃除も料理も得意な夫との夫婦2人の暮らしに満足していたが、夫からの「子どもどうする?」の言葉に揺らぐ。自身の年齢から出産のタイムリミットが迫っていると感じつつ、キャリアや自由な時間などの失うものの大きさを思うと踏み出せない。
3人目の主人公は「多賀麻希」。高校卒業後、熊本から上京し、服飾の専門学校へ。だが、服飾関係には就職できず、就職した映画プロダクションの会社は社長の夜逃げにより会社はなくなってしまう。その後派遣社員になった麻希は未婚のまま30代最後の誕生日に派遣切りを告げられた。頑張っても報われない、すり減るばかりの生活に空しさを覚えるが、今さら故郷には帰れない。
どこへ向かって行くのか、その先に何があるのか。
これは、私であり、あなたでもある3人が主人公の物語。結婚、出産、育児、キャリア、夫婦関係に揺れる「漂うわたし」たちの物語なのです。
※小ネタ:ちなみに、3人の名前(苗字)の最初の文字をつなげると、「サイタ」になるんですよ、気付きましたか?(笑)
│ 主人公は「あなた」
それぞれのエピソードは実際に体験したり、見聞きしたりしたことが元になっています。実感したことを丁寧に描くことにより、読者の方々に「わたし」を重ねてもらうことができるのではないかと思っています。
読者の方々からは、自分と重ねられた感想も頂いています。
「千佳子の感情が大変リアルで、なまなましくて、面白いです!続きが楽しみです!」
「娘の一言って、本当に胸に刺さるんですよね。言われた一言をたどりながら、実母との時間を思い出す毎日です。」
「夫婦の攻防がリアル過ぎて、笑えるしせつなくなるし、楽しいです!続き読みたい!」
『漂うわたし』に登場する人物は主人公だけでなく実家の両親、兄弟、ママ友、同僚、上司、スーパーで見かける人まで、綿密にキャラクター設定をしています。1話1話、誰かしらのセリフやしぐさに共感するところがあるのではないでしょうか。
ちなみに、私のベストオブ『漂うわたし』、心を動かされた場面はなんと言っても第10回「産まないって決めたわけじゃないのに」、の中のコータ(5歳)が描いた絵の中にある一言。
私も娘たちの「ママ」の声を背に、PCに向かったことは一度や二度ではありません。
気付けば娘は大きくなってしまいました。その場面とリンクして、この原稿は何度読んでも泣いてしまうんです。でも、それでも仕事は手放せなかった。それでいいと思っています。
この小説を通して自分の「本音」や「希望」と向き合うこと、それは時に、フタをして見ないようにしていたモヤモヤと向き合ったり、なかったことにしたかった過去の苦い思い出、違和感を覚えた時のザラっとした気持ちを掘り返すことになり、複雑な気持ちが湧き上がる可能性もあります。
意外と自分でも気付いていなかった「不安」「不満」「違和感」そして「しあわせ」をこの小説の主人公に自己投影をしたり、ドキっとするセリフを拾い上げることで自分の今の状態の棚卸ができるかもしれません。
自分の理想の状態に近づくための第一歩は「現状を知り、自分の希望を知る」ことから。
解決しなかったモヤっとする気持ち、悩みすらもパワーに変えて、人生を漂いつつも自分の足で立つことを諦めない女性のエールになれたら、こんなうれしいことはありません。
「この人のこのセリフが刺さった」「この場面に涙した」「このシチュエーション、昨日の自分かと思った」などという共感ポイントがあれば、ぜひ「#saita」や「#漂うわたし」をつけてTwitterでつぶやいてくださると嬉しいです。
と大きなことを書きましたが、私自身がアラフォーなので、なんとなく感じるこの「人生の中盤感」を読者の方たちと「わかる~」「あるある~」と言いたかったというのが本音です(笑)
│ note次回告知
次回は、『漂うわたし』誕生秘話をお届けします。
キーワードは「埋蔵主婦」です。おたのしみに。
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