令和の日本型学校教育③
今日は「令和の日本型学校教育」で
これまでの学校教育がどう評価されているのか見ていきたい。
「令和の日本型学校教育」(概要)
https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf
まずは「成果」から↓
・学校が学習指導のみならず,生徒指導の面でも主要な役割を担い,
児童生徒の状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで,
子供たちの知・徳・体を一体で育む「日本型学校教育」は,
諸外国から高い評価
・ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため,全国的に学校の
臨時休業措置が取られたことにより再認識された学校の役割
①学習機会と学力の保障
②全人的な発達・成長の保障
③身体的,精神的な健康の保障
(安全・安心につながることができる居場所・セーフティネット)
~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)【概要】
評価されている部分は素直にありがたい。
次に「課題」↓
・本来であれば家庭や地域でなすべきことまでが学校に委ねられること
になり,結果として学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大され,
その負担が増大
・子供たちの多様化(特別支援教育を受ける児童生徒や外国人児童生徒等
の増加,貧困,いじめの重大事態や不登校児童生徒数の増加等)
・生徒の学習意欲の低下
・教師の長時間勤務による疲弊や教員採用倍率の低下,教師不足の深刻化
・学習場面におけるデジタルデバイスの使用が低調であるなど,
加速度的に進展する情報化への対応の遅れ
・少子高齢化,人口減少による学校教育の維持とその質の保証に向けた
取組の必要性
・新型コロナウイルス感染症の感染防止策と学校教育活動の両立,
今後起こり得る新たな感染症への備えとしての教室環境や指導体制等の
整備
総論としては「さもありなん」と思うようなものを取り上げてくれている。
しかし、「成果」と「課題」が表裏一体になっているものもあり、
この二項対立の考え方で果たしていいのかという疑問もわいてくる。
例えば、「学習指導に加えて生徒指導も」「知・徳・体を育む教育」はどう考えても業務範囲の(無尽蔵の)拡大につながってしまう。
そして目下、現場で一番つらいのは、とにもかくにも人が足りないこと。
たとえば病休に一人でも入ってしまうと、とたんにかなり多くの人たちに
しわ寄せが行き、時には管理職すらも駆り出されてしまう。
各論の一番最後に「教師の人材確保」について論じているが・・・
(5) 教師の人材確保
・教師の魅力を発信する取組の促進,学校における働き方改革の取組や
教職の魅力向上策の国による収集・発信や,民間企業等に就職した
社会人等を対象とした, 教職に就くための効果的な情報発信
・教員免許状を持つものの教職への道を諦めざるを得なかった
就職氷河期世代等が円滑に学校教育に参画できる環境整備
・高い採用倍率を維持している教育委員会の要因の分析・共有等による,
中長期的視野からの計画的な採用・人事の推進
これでは「人材募集の広告増やせば、人が集まるよね!」という薄いこと
しか言っていないのではないだろうか。
うーーーん、批判ばっかりは何も生まれないので、次からは自分の現場に落とし込んで話を進めていこうかな。