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#43 【お悩み相談】ベートーヴェン・4声で書かれた推移部分を、各声独立させながらなめらかに弾きたい!
こんにちは、さいりえです。
今日はサロン会員の方のお悩み相談より、ベートーヴェンのソナタのある1部分について、技術面、練習方法、考え方をお話していきます。
【このnoteのお題】
曲目:ベートーヴェン/ピアノソナタ第15番 「田園」Op.28 第1楽章
箇所:77小節目〜
ご相談内容:4声をうまく弾きわけられない。手がガチガチになる。きれいに弾けない。
【このnoteの構成】
テキスト…3つのポイントと補足
動画…2本(14分+3.5分) ※vimeo のプライベートリンクを使用しています
カギカッコでマークした、この部分です(楽譜はIMSLPからの引用です)。
フーガのように独立して動く4声ではなく、和声的に進行しながらも4声として弾きたい、という部分ですね。
今日は、こちらの部分の演奏ポイントについて、テキストと動画でお話ししていきます。
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ポイント1. 片手の中で2声を弾き分けるには?
この部分は、全体で4声になっていますね。
・外声…長い息のメロディ
・内声…弦楽器のようなトレモロ
これらの描く表情や主張を弾き分けて、最終的にひとつの音楽にするわけです。
このとき大切なのが、「片手の中で、2本のラインに分ける」ということです。
頭の中、心の中、聴き方も2本なのですが、それに加えて、手の感覚も2つに分けて動かし、感知します。
この曲の場合は大まかに、左と、右に分ける感じ。
たとえば4,5の指は肩からの繋がりを感じて大らかに。
そして、1,2の指はてのひらから落ち着けて穏やかに。
など、違う動きになります。
このとき、指先だけを変えようとせず、手の付け根…つまり肩の後ろから、意識し、はたらかせることが大事です。
フーガほど別々の動きをするわけではないので、ガラッと異なるわけではないのですが、大切な意識です。
ポイント2. 外声をレガートに弾くには?音を確実に、丁寧に渡していくこと
つぎに、1声ずつじっくり見ていきます。
まず、外声のメロディについて。
レガートにもいろいろありますが、ここは丁寧な指のレガートが必要です。
音をだいじに繋げる。次の音へ、確実にそして丁寧に渡してあげるイメージです。
AさんからBさんへ、大事な宝物を手渡しするイメージをしてみてください。Bさんが手を差し出して、宝物を受け止めてから、Aさんは手をゆっくり離します。ポーン!と投げませんよね。
ですが、このような4声が細かく動く部分では、4-5や5-4の音をプツッと無意識に切ってしまうことも多々あるのです。
【注意点】
・指をよく保つ(押しつける必要は無し)
・音を聴く。前の音の響きに繋げて次の音を出す
・指が浮いて浅い音にならないよう、十分に。
・ただし、繋げるぞー!と思って力んだら手首や手全体を固めないよう注意。硬いなぁと思ったら、いったん弾くのをやめ、手先だけでなく、体の中心や肩の付け根からフワっと楽にしてほぐしてください。
ポイント3. 内声のトレモロは弦楽器のように
内声は音が多いですが、オーケストラの弦楽器がなめらかにトレモロを奏しているところをイメージしてみてください。
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