#38 ピアノという楽器でも【立体的でふくよかな音(音楽)】を出す考え方と練習方法〜バラード1番の動画を補足します〜
こんにちは!さいりえです。
今日のnoteは、Youtubeに公開中の【バラード1番の練習動画シリーズ】のパート④に関する補足 note です。
この note はオンラインレッスンサロン内の記事ですが、この note に限り最後まで全体公開しております。どうぞご了承ください。
今回は、こちらの動画を補足していきます。
上記の動画で取り上げている部分(2度目の第2主題で、とても盛り上がる部分)、
・音が平面的になったり
・ただ強いだけになったり
・歌や豊かさよりも勢いのほうが優ってしまったり
など、難しい部分です。
このnoteでは、
・Youtube動画でお話していることの補足
を書いていきます。
【バラード1番のような重音のレガートを歌う部分】での、ありがちな問題
この部分のように
・重音
・レガート
・たっぷり歌いたい
・f や ff
などの条件が重なると、指がカチャカチャ動くわけでもないのに技巧的にかなり難しくなります。
失敗例、ありがちな問題としては
・手がガチガチになる
・横に歌う表情にきこえず、カン、カン、と和音を単発で打ってしまう
・衝撃音が多い
・和声感が感じられない
・フレーズ感や音楽の大きな流れが薄く、どの拍も同じように進んでしまう
・奥行き、立体感がない「直接的」な音になってしまう
などがあります。
どんな音がほしいか?どんな音楽にしたいか?
問題を解決するとき、「どうしたいのか」「何をめざすのか」を明確に考えることはとても大切です。
では、この部分ではどんな像を描けば良いのでしょうか?
これは、弾く方が具体的に考えて探してみてもらいたいのですが、一例や、わたしの理想をご紹介します。
【漠然としたイメージ】
・「満ちた」感じ
・それまでの物語から、なにか道がひらけた、「見つけた」感じ
・安心して歌い上げる
・豊かさ
・しばしの幸せ(また後から絶望が…)
【具体的な音、音楽のイメージ】
・たっぷりと響きの多い音
・音価のぶん、十分に響くこと(カン、カンと短い音ではなく)
・それまでの短調、フラットの調とは違う、シャープ系の明るく華やかなイメージ
・自由に歌えること
・拍感やフレーズ感を持ちつつも、それに縛られず生きているように
・右手と左手が同じ流れでなくそれぞれ動くこと(でもどこかでハモる)
・第2主題の再現であるということがわかること
など、挙げればたくさん出てきます。
あなたもこの部分や、いま弾かれている曲、取り組んでおられる部分について、たくさん突き詰めてみてください。
11の大事なポイント
大事なポイントはいくつもありますが、主に次のような点です。
【イメージ、理想を高める】
・ピアノという楽器でも、豊かな音が出せる!という実感を持つ
・実際のオーケストラや歌声など、「こんなふうに弾きたい」というイメージを具体的に知る
・曲に対する思い入れを高める(思い入れがないとなかなか出せない)
【体の使い方、打鍵について】
・手の柔軟性
・打鍵をギュッと一点に集めず(急速にせず)、ゆっくりめに打鍵
・指先だけでなく、腕、肩、体の中心までひと繋がりになった奏法
【音の構造について考える】
・和声の響きを考えた、各音の響かせ方やバランス
・ひとりでなく、複数の人が歌っているようなイメージ→分厚さ、立体感
・そのため、タテもヨコもひとつひとつの音がすべて少しずつ違う音になる。同じ音を並べないように注意
【フレーズ感、歌の表情について】
・フレーズ感、歌の表情を念頭においた音の繋げ方(物理的に繋げなくてもOK、つながるような表情)
・そのための、音のおさえ方、聴き方(音の後半を丁寧に聴き、次の音に渡す)
以上をふまえた上で観ていただけると、より深くご覧いただけるかもしれません。もう一度動画のリンクを貼っておきます!
関連記事、Twitterのご紹介
今回の具体的な演奏についてはYoutubeでお話していますが、それに付随するポイントとして、参考になりそうな記事を note やブログでもいくつか書いています。
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〜響きをイメージした音づくり〜
〜オクターブのレガートをなめらかに歌うために〜
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ブログはもう少し全体的なお話をじっくり書いています。無料でお読みいただけます!
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ピアノの演奏は一朝一夕ではできませんので、ぜひ一歩一歩やっていきましょう!
実践するにあたって
同じ「重音のレガートを歌う」でも、時代や作曲家、作品によって異なります。
・ショパンのバラード
・ブラームスの小品
・ベートーヴェンのソナタ
・ラヴェルの描写的作品
・スクリャービンのソナタ
などで、変わります。
これからも、いろんな表情、表現を探ってシェアしていきたいと思います!
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