季節の果物

今日は梨を食べた。
先日は桃をいただいて、その前は直売所でお世話になった江﨑ぶどう園さんでぶどうを買って食べた。
夏秋果実を満喫している。

いちごのシーズン中、とっても忙しくていちごは意外と食べていない。
いちごおいしいよ、と伝えながらも以前私は果物を食べる習慣はあまりなかった。

独身の頃の仕事は、休日が少なかったり早朝から深夜までだったり
それでいて手元に残るお金が少なかったり
なかなかに余裕のない生活をしていたから、昼間開いているスーパーで果物を買うとか、ましてや直売所に出向いて買うとか、できなかった。

いちご農家に嫁いで、当たり前のように実っているいちごを食べて、生産者の特権だな、くらいに最初は思っていた。

3年ほど前、妊娠中に発見してとても癒しになっていたYoutubeチャンネルがある。
北欧、暮らしの道具店さんというお店のチャンネル。
こちらでは、豊かな暮らし、丁寧な暮らしを営む方々の生活を少しだけ覗き見ることができる。

morning routine シリーズが特に好きで、眺めていると、朝食に果物を添えている方が結構いらっしゃった。
豊かな人は生き方が違うな…と遠い存在のように最初は思っていたけれど、だんだんと真似したくなってきた。

それは憧れの気持ちもあるし、自分を丁寧に扱うことへの興味が湧いてきたから。
長く鬱に悩まされていた自分にとって、自分を丁寧に扱う行為は自己嫌悪の引き金になっていたけれど、丁寧に扱うことは悪いことじゃないんだと思い始めていた。

それから食べた梨のおいしさ。
桃のみずみずしさ。
ぶどうの香り。
どれも日々の癒しと元気の源になった。

いちごもきっと、冬の寒くて静かな時期の輝きなんだろうなと思った。
出荷メインの生産者の頃は「商品」にしか見えなかったいちごも、
お客様に直接お渡しできるようになると、プレゼントと思えるようになってきた。

余裕のなかった時代の自分自身にも知ってほしかった、真っ赤な輝き。
日々の潤いと豊かさと自分を労るきっかけをお届けできるようにしていきたい、と思った。