定期預金の期日管理

銀行入社して三年目にして得意先係
業務の内容は
午前中は大口先の集金を3社
午後は特に決まった先は無い
しかし、定期預金の期日管理、大口入金先のフォロー、新規顧客のフォローがある
加えて、新規顧客の獲得だ
そんなに沢山の顧客には行けない
10件行けば良いぐらい
定期預金の期日管理とは
一カ月分の定期の満期となるリストを渡され、この継続依頼をするものだ
定期預金とはある一定期間は使わないお金を預けるものであり、その期日が来れば自由に使ってもいい 
それを、期日が来たら継続して預けるように依頼する❓  
おかしな話しだ
自分のお金についてとやかく言われるなんて
ましてや、期日に払い出す事を拒むなんて
納得がいかない
でも、それが銀行の仕事❓だ
満期となる1週間前には訪問のうえ継続を依頼のうえ、通帳と書類又は証書を預かり、継続となったらその物を返却する
その時に、粗品を持っていく
今なら、ティッシュ一つ 
当時は、金額に応じて、タオル・サランラップ・ティッシュ・洗剤等の日用品から皿・時計・マグカップなど
顧客によっては、粗品を指定する人も
そして、近所に『うちはサランラップを買った事が無い』と自慢
また、大口の預金先は中元・歳暮もあった
これは、油だったり、砂糖だったり
◯◯は、扇風機・コタツだった
これを怠ると毎週の期日管理という支店長も出席する会議で怒られる
更に、解約となるとその支店の預金が減少となるので大激突である
支店長が黙って席を立つ事もある
その日、課長は大荒れだ
どうして預金の減少を拒むのか
銀行の業務を考えて欲しい
銀行は顧客から預金を集める
そして、預金者には利息を払う
一方、その預金を必要な顧客に貸す
貸すからには、利子を払ってもらう
預金金利より高い金利である
こうして、銀行業務を運営している
預金量が少ないと、貸すお金が足らなくなる
足らないと日本銀行から借りて利子を払う
なので、こうならない為に、預金を集め減少防止に努めるのである
そして、集めた預金はなるべく出ていかないように定期預金にしてもらう
それも出来るだけ長い期間に
顧客は自由に使えないが、利息は当時は結構付いていた
10年も預けると2倍近くとなる
今では考えられない
このように、銀行は人のお金で相撲を取っているのである
この重要な得意先係はいわば花形でもあった
この他の業務である大口入金先のフォローは後日

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