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【映画】クレしん映画の感想(2)

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 ダラダラ書いてたら年が明けました。
 懲りずに続きを書いていきます。

 前回はこちら。

 では今回も書きますね。
 例によってネタバレ等はご容赦を。

■アッパレ!戦国大合戦

 大河ドラマのような画から始まった。自分は昔から歴史モノが苦手で、特に日本史は成績も悪く、時代背景とかわからないと楽しめないのかな、と不安も少しあったが、それは杞憂だったらしく、最後まで楽しく観れた。

 昔の自分が書いて埋めた手紙が、現代の庭に通じている、というトリックは、バック・トゥ・ザ・フューチャーを想起させてよかった。歴史書を紐解くと野原一家が出てくるのも、実際に自分が体験したら鳥肌がヤバそう。

 観ている時は意識していなかったけど、そもそも車で時間遡行している時点で、バック・トゥ・ザ・フューチャーをオマージュしていることは間違いないだろう。車は「どこにでもいける自由」の象徴みたいなとこあるし。

 廉は、ずっと格好よかった。美人で、権力があっても、勇気と信念を感じられる女性だった。可愛い、美しい、よりも、凛々しくて、格好いいと思えた。叶わない恋は本当に悲しいけれど、それが似合うのも事実で残酷だ。

 人間の死について、結構しっかり書いている。序盤、又兵衛が家族を亡くしてるくだりを話しても、しんのすけの反応が「ほうほう」なので笑った。後になって考えると、終盤の死生観を描くために必要なシーンなんだね。

 ヒロシとみさえは、大人なので、兵士が覚悟を決めることが何を意味するか理解しているし、それがたとえ別の時代で、他人であっても、思わず涙してしまうのは、まあ、そうだよなと思った。これから死にます、だもん。

 この話は真面目で、哀しくて、美しい話だった。カスカベボーイズからの、ヤキニクロードからの、戦国大合戦なので、クレしん映画は楽しい話だけではないのか、とバリエ―ションの豊かさに驚かされることになった。

 オチは、誰かの攻撃ではないんだろうな、と思う。明らかに、タイムパラドックスを起こさないため、運命の修正みたいな概念だと思う。避けられない「さだめ」を穏やかに受け入れる又兵衛は立派だ。それがまた悲しい。


■ユメミーワールド大突撃

 この映画が、いちばん語りたいかもしれない。正直、面白い映画ではあったけど、オチまでは「ふんふん」くらいのテンションで観ていた。でも、オチの台詞を聞いた瞬間に、「え!?」と大きな声を出して絶賛していた。

 まず、サキという少女が出てくる。この少女は、何か事情はあるんだろうけど、まあ生意気な奴だ。しんのすけとも取り合わない。ネネちゃんも最初は非難していたが、サキがあまりにも尖りすぎているので認めたらしい。

 物語が紐解かれていくにつれて、真相が徐々に明らかになる。サキには、幼い頃に自分の失敗で母を亡くしたという強迫観念があり、それ以来、悪夢にとりつかれるようになった。父は、娘を救うために他人を犠牲にする。

 要するに、この話はトラウマの克服に焦点を当てているのだ。ははーん、なるほど。そして、その克服を助けるのはかすかべ防衛隊との絆、友情であり、しんのすけという白馬の王子様、そういう筋書きなのだなと思った。

 と、思ってたんですよ。それが何、ぜんぜん違う。まず、わかりやすいテーマとして「トラウマの克服は、誰が主体であるべきか」みたいな問題提起が薄らとあって、それは父の強硬ではない、という演出からスタートする。

 それで、サキには友達と普通に遊びたい、さみしい、という子供ならではの当然の感情があり、じゃあ「トラウマの克服に必要なのは、時間と充実感、すなわち、かすかべ防衛隊との絆・友情」・・・・と思うじゃん?

 かすかべ防衛隊がやられて、みんなが挫けそうになった時、助けに来たのは、まさかのみさえ。いや、これは凄いなと思った。凄いというか、偉い。「こんなに丁寧にやるの?」という驚きがまず一発。うん、これは偉い。

 サキのトラウマは、「自分のせいで母が死んでしまった」という解釈で、そのトラウマを克服するためには、第三者が別の解釈を説く必要があると思うんだよね。そして、誰でもいいわけじゃなくて、スタンスが必要だと。

 そこで抜擢されたのが、「母」であるみさえ。自分の母はもう死んでしまったけど、母の代役、代弁者としてのみさえに「あなたの母は恨んでいない」という解釈を説かれることで、克服への一歩をサキが踏みだせた。

 でも、本当にすごいのはここからで、やはり「トラウマの克服は、誰が主体であるべきか」というテーマから逃げず、真正面から向き合い、そして丁寧に「最後のあの台詞」まで描いたと、いやー、すごい、感動しました。

 子供向けの映画だから、とか、いくらでも理由をつけて、もっとシンプルなオチにすることもできたはず。父でも、友情でも、亡き母の代弁者でも、落としどころはいくらでもあったはず。なのに、あのオチって、すごい。

 ネタバレ上等で書いてるnoteだけど、この台詞に関しては、聞いた時の衝撃がクレしん映画の中でもダントツだったので、あえて書かないでおきます。まだ見てない人は、騙されたと思って「その台詞」まで見て欲しい。

 観終わった後も、ずっと「すごい、すごい」と繰り返していた。「寛解」という言葉が、ぼんやりと頭に浮かぶような、そんな映画だった。しんのすけの役回りがイケメンすぎたのが、ちょっと柄じゃなかったけど(笑)


■B級グルメサバイバル

 泣いた。クレしん映画で泣いたのは、これが最初で最後かもしれない。食欲のために奮闘するというテーマ自体は、ヤキニクロードに通ずるものがあるけど、好きなテーマなので飽きはなく、おかわりするつもりで観た。

 ソースの健さんの都合のいい女(ちゃんと名前はあったはずだけど)の湿度がすごかった。特に理由なく艶めかしいのもウケる。伝説のソース的な概念はめちゃ好き。ストーリーも毒が少なく、敵役も個性的でよかった。

 ヤキニクロードと一緒で「食べたいものが食べれない」からの「最後に食べれる」というカタルシス構造だけど、ヤキニクロードよりも遭難が深刻で辛かった。風間くんが世界地図を持ってきてモジモジするところが好き。

 唯一、ちょっと微妙かなと思ったのは、かすかべ防衛隊が絶交した後に、仲直りするシーンが特になかった点。ユメミーワールドでも引っ掛かったけど、絶交という単語は、軽々しく出していいものじゃないと思うので。

 ボスのグルメッポーイの過去は、結構、ウワーッというか、親の影響とか、家族の発言で間接的な虐待を受ける的なトラウマが触発された。ユメミーワールドと連続で観たので、続けざまにテーマが重いでと思った。

 最後は、みんなで楽しく焼きそばを作る、というオチで、まあそうなるだろうなとは思っていたけど、ちゃんと楽しく終われてよかった。その焼きそばを食べたグルメッポーイの台詞には、涙が出た。(今も泣きそう…)

 ちなみに、一緒に観てた妻が焼きそばの歌を口ずさんでいて微笑ましかった。劇中歌なのに覚えてるなんて愛があるんだな、と思った。その後、一緒に焼きそばを食べたけれど、海鮮塩焼きそばだし、生卵がなかった。

 でも、B級グルメは自由だから!(あら、便利なオチ)

 このペースじゃ終わらない気がする。
 忘れないうちに、また続きを書きます。

 それでは。

 

 


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