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パーキンソンの法則
仕事を早く終えるためのの法則:パーキンソンの法則
(3,090文字)
「 最高の時間割」というのは、どういう時間割がパフォーマンスを最大化するか、ということをテーマにしたブログなんですが、このテーマを追求しているとなにかと法則や効果が出てくるので、忘れないようにひとつずつ記録しておきたくなります。そのすべてがなにかと書物に出てくることもありますが、使えるものが多いので、シェアできればと何よりです。コンコルド効果、パレートの法則、プロスペクト理論、ナッシュの均衡(ゲーム理論)、モラルライセンス、ダニング=クルーガー効果などなど。
今日は、この法則について触れてみたいと思います。
パーキンソンの法則
パーキンソンの法則には2つあり、ついで同じ著書で取り扱われた「パーキンソンの凡俗法則」というのもあります。それにあるブログにあった独自のユニークでポジティブな解釈を加えた4つをご紹介したいと思います。
目次
•パーキンソンの法則とは
•第1法則: 時間
•第2法則:お金
•凡俗法則:残念な組織の傾向
•第3法則:人生
パーキンソンの法則とは
イギリスの歴史学者・政治学者であるCyril Northcote Parkinson(シリル・ノースコート・パーキンソン)の著書『Parkinson’ Law(パーキンソンの法則)』で提唱されたadage(格言)。パーキンソンさんは、『プリズン・ブレイク』に出てくる看守に似ていますが(どうでもいいですね。すみません)、研究結果から導きだした法則というよりは、観察から導き出した法則で、エビデンスベースのものではなさそうです。それでも、わたしは念頭においていますし、なんなら習字で書いて壁に貼っておきたいくらいです。本は1957年に出版されています。
第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
例えば、明日の午前11時に使用する企画書があったとします。構成要素の取りまとめは終わっていて、今日は、それをシートに落とし込んで清書するのみ。想定として4時間ほどで済むはず。そう見込んでいたとします。そして今は朝の会議が終わった午前10時。今日はほぼこのタスクように他の予定は入れてない。今から着手すれば午後3時には終わっているはず。なのに気がつけば午後11時まで会社にに残って終わらないまま終電を気にしつつ、それでもなんとか仕上げようと奮闘している……。なんてことがよくあるのではないでしょうか。わたしもそんな経験を正の字を使って書いたとしたら後半ゲシュタルト崩壊を起こすほど書き続けることになるでしょう。
では、どうすればよいかというと
仕事の完成度を追求するのではなく、ゴールを想定する
のが良いようです。
先の例で言えば、「企画書で何をするのか?」ということ。
上司の了承を得て予算審議に回るのか、顧客に提出してプロジェクトを次の段階にすすめるのか、デザイン案を通すのか、等々。
その際、完璧を追求しないほうが良いようです。
もちろん佐藤オオキさんのように完成度の高い、モックまで作った上で3案以上ある提案なんてできるのは素敵ですが、完璧主義というのは、より良い仕事をこなすスタイルとしては、否定されることが多いです。
佐藤オオキさんのスタイルについては、むしろ仕事をスピーディに進めるための工夫がゆえなので、それを目指すのではなく、
「自分のゴール」を想定してそこへの最短距離を目指すのが良いでしょう
そして、失敗したら終わりではなく、失敗が発生したらそれはより早い学習刺激くらいにとらえておくほうが良いでしょう。
いずれにしろ、
自分で「まだある」と思った時間すべてを使ってしまうので、
より強引な手段として、本田直之氏は、
「次の予定を入れる」
ようにしています(笑)。つまり19時にデートなり、会食なりを設定してしまうということです。もう残業ができなくなります(笑)。
悪い手ではないと思います。
第2法則
支出額は、収入の額に達するまで膨張する
そのままですね。
対策としては、
天引き
が良く推奨されています。
この第2法則については、仕事を早く終えるのに必要でもないのであまり掘り下げませんが、念頭に入れておくと便利だと思います。
つぎに
パーキンソンの凡俗法則について
組織はどうでも良い物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く
シニカルですが、これはウィリアム・H・ホワイト(米)の
groupthink(集団思考、集団浅慮)
にも通じるものです。
集団浅慮は、
集団で合議を行うと不合理または危険な意思決定が容認されやすい
というもの。パーキンソンの凡俗法則(Parkinson's Law of Triviality)とは異なりますが、集団で判断することへの警鐘としては音色が似ていますね。
集団浅慮については、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏も絶賛の『無知の科学』という本にけっこう詳しく書かれています。
パーキンソンの凡俗法則に話を戻すと、これは「自転車置場の色」などとも言われ、この表現はわかりが良いですね。どうでも良いことに会議で無駄に時間が費やされがちな象徴として。
このあたりに関しては、昨今の先進的な企業は先制していて、例えばアマゾンのジェフ・ベゾスは、「ピザ2枚ルール」と呼ばれる考えを持っており、
会議はピザ2枚を食べて全員がお腹いっぱいになるくらいのの人数で行うのが最も生産的だ
としています。
無駄に多く、無駄に長い会議をしている暇はなく、間違った決断をする危険を避けようとしているのでしょう。
さて最後にパーキンソンの法則について調べている間にみつけたウェブの記事で、ポジティブな独自の第3の法則を表明しているものがあったのでそれも紹介したいと思います。
第3法則(?)
自分の夢に自分の人生は比例した結果を産む
孫正義やAPAホテルの社長、元谷芙美子氏も、社員たちがしらけるほどの壮大な夢を嘯き、それに向かって邁進して結果を残しています。
パーキンソンのポジティブな解釈で、
描いた夢が大きければ、人は人生の可能性を最大化させる、
というもの。
素敵な解釈だと思いましたので、
わたしの念頭壁に書いて入っておく一枚に加えました。
さていかがでしたでしょうか?
次回は、最高の時間割として瞑想についてか、運動に適した時間、または法則集の続きで、ダニング=クルーガー効果についてか、コンコルド効果について触れたいと思います。
覚えておきたい法則集
•パーキンソンの法則(今回)
【最高の習慣】
<朝>
•目が覚めたらまず水を500ml飲む(理由)
•朝日を5分以上浴びる(理由)
•瞑想する(理由)
•朝食を食べない(理由)
<全般>
•仕事中、スマフォは視界の外に置く(今回)
•コーヒーは起きてから1時間経ってから。(理由)
•コーヒーは1日3〜5杯飲む。(理由)
•「忙しい」と言わない(理由)
•できるだけ階段を使う(理由)
※この時間割りは、朝型の私用です。
でも書きましたが、人には朝型、夜型、中間の3タイプがありますので、それによって寝る時間は異なってきます。
関連書:
読んだ後は本書を隠すべし、などシニカルかつユーモアな本ですが、日本語翻訳版は絶版でちょっと高いんです。英語のペーパーバックだと929円なんでお手軽。kindle版はなさそう。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』
中島 聡(著)
ここでは紹介しませんでしたが、パーキンソンの法則への対処法がいろいろと詳しく書かれています。
まいどまいど出てきますが、「思っていたのと違う事実」を知る基本書みたいなところがあります。もはや教養として必須な気配が漂い始めていますので是非!
『知っているつもり——無知の科学』
スティーブン スローマン 、フィリップ ファーンバック (著)
ダニング=クルーガー効果について紹介する際にまた引き合いに出すことになる本ですが、集団浅慮の恐ろしさに少し触れています。