7/29 一人暮らし15分で完成、ごはん日記 斜面林の手入れの手伝いと出汁の話 写真は、斜面林で見つけた烏瓜とエゴノキの実
7月29日金曜日のご飯
出汁の話
だしの素や麺つゆなどはほとんど買ったことがない。
特に一人暮らしになってからは、買った記憶がない。
頂き物を使うことはあったが、今では友人に使ってもらうようになった。
私は半月分くらいの濃縮出汁を作っている。
市販のはどうしても甘みが前に出て好まないが、自分で作るとすっきりと扱いやすい出汁になる。
自己流だから、専門家の人たちが見たら笑われるに違いないレシピです。
だけど、一人暮らしの食卓に汁物があるととても嬉しいから、なくなったら作ります。
ざっくりこんなレシピ
うちの小鍋は8分目で800cc入ります。
そこに出汁昆布を鍋に入る大きさに切って入れます。
このお出しは日常使いなので、日高昆布です。
20gから30gたっぷり入れますが、これは10gとかでも大丈夫。
薄めるときに加減すればいいだけです。
ただ、あんまり薄めると出汁が効かなくなるので半月は持たないかもしれません。子供の頃のカルピスの原液薄め方の葛藤と似てます。。。
干し椎茸も2−4個入れて弱めの中火にかけます。
理由は沸騰までをゆっくりしたいからです。
13、4分くらいで表面がふつふつと沸騰し始めるので、昆布を出します。
ちょっとくらい沸騰したって、私は気にしません。
多分お湯は700cc〜750ccくらいになっていると思います。
椎茸はそのままで、火は弱めます。
味見してください。案外、塩味があるはずです。
そこにお塩を小さじ1/2くらいとお酒を大匙2入れます。
味見をしてください。ずいぶん違いますよ。
10分くらいそのまま火にかけておくと、水分が減ってきます。
500cc〜600cc。
そこにまたお酒を大匙2くらい入れて沸騰したら火を止めます。
またまたお味見。鰹節やいりこ出汁とはまた違う、すっきりと胃に染み渡る美味しさだと私は思います。
さらに顰蹙を買うに違いない保存方法。
瓶に出汁をとった昆布を詰め込んで、その上に粗熱をとった出汁を入れて保存します。
出汁は、水で薄めて使います。みりん、醤油、砂糖など適宜。
汁物だけでなく、野菜・魚介・お肉を炊いたり、麺にかけたり、炊き込みご飯に使ったり・・・
出汁が効いた良いお味です。
鰹節を加えたりしたら、また違った風味。
麺つゆでどれも同じ味に仕上がるのとしたら、断然こちらに軍配をあげたい。
例えば・・・
そうめんの出汁はこれでエビを炊いたもの。(水で薄めて)
椎茸を引き上げて刻み、同僚のみりん・醤油・出汁・水と好みでお砂糖をほんの少し入れて、蕎麦猪口に入れてレンチン。よく混ぜて氷を入れたら美味しい麺つゆになる。
鰹節を少し入れるとまた違った風味でおいしいです。
9時半に集合して、斜面林に入る。
今日の主な作業はゴミ集め・草とり・枝打ちだ。
自然の斜面が林となっていて、その一部分の管理を市より頼まれているらしい。
当地は河岸段丘で、下の段一帯は団地となっている。
公共施設やら行政の出張所や駅が整えられ、その先に現在の川が流れている。
段の上(斜面林の上)は、一戸建て住宅群が年毎に増え、その中に地主のお屋敷が点在している。それらの間を隈なくつなぐ毛細血管のような道は緩やかに上りながらこの町の中心となる私鉄の駅へと通じる。
典型的なベッドタウンだ。
斜面林は、元々はこの土地の主だったともいえる土や木や虫や野の花が、現実の身の丈にあった形で生きづいている。
私はこの場所が好き。葉擦れの音や、揺れる木漏れ日や、野の花、風、足の裏にあたる土の感触・・・ラヴェルやドビュッシーの音が溢れてきそうだ。
芸術家は、光の粒の実感があって、その印象を定着したいと渇望したのだと、日差しの降り注ぐ林を見ながら、ふと思いが浮かんだ。
現象への実感があってこその印象だ。
私は言葉化された誰かの印象をなぞることで社会の構成員っぽく振る舞ってきた気がする。その役割は少しづつ降りていこうと思った。
芸術家のように、とはいかないまでも、
幼児の人生が、目に入る現象への実感から始まるのを逆回しするように
段々と幼児の境地に至りたい。
60年で人生のひと回りという。
私はもう、「逆回りの人生」を生きはじめているのだ。
なんだか、愉快。
この緑のトンネルの写真の左が斜面の下側で、際まで団地が迫る。
右は戸建地帯で、木の背景は民家の塀だ。
この河岸段丘を分断して出来た大きな道も幾つかあるけれど、この斜面林は、ここに住む人にとっては、自然に触れる休まる場所と同時に格好のショートカットコース。
作業は約1時間半。途中水分補給をするほかは、黙々と持ち場の作業。
うーん、これが気持ちいい。
今時の流行りで言えば、「整う」感じ?
用法、間違えてるかな笑