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多忙な日々と読書

年が明けてからというもの落ち着かなかった。
2月末で車検の切れる我が愛車、名残惜しいけれども維持費と稼働頻度を考えて、中古の軽に乗り換えることに決めた。
私しか運転する人はおらず、遠出もしないしそれこそ買い物の足くらい。
買い物には車がないと不便な場所なので、手放すのは現実的ではない。
だったらとことん低予算で買い替えようと。

会社員時代の微々たる貯金から捻出するので、予算はここまで、とラインは引いていた。なんならもっと下げても、と思いつつ中古車ディーラーを検索する。
予算を低く見積もりつつも、希望の車種や色なんかもあって、できるだけ修復歴なし、欲を言えば禁煙車を求めてしまう。
そんなワガママばっかり言ってこの予算じゃ無理でしょ、と笑われそうだ。

が、見つけたのだ。
希望車種と色、年式はまあちょっと古いけど修復歴なし、禁煙車ではないけれど許容範囲。シガーソケットに挿すタイプのアロマランプを愛用しているので問題ないだろう。もちろん予算内。
ということで明日が納車となる。
それまでに現行車両の査定やら相見積もりやら、保険とか駐車場とか各方面への連絡、印鑑証明に住民票(コンビニで取れるようになったのがありがたい)……。
松が明けてから、そんなこんなでバタバタだった。

思えば今日まで乗っていた車も、希望の車種と色、中古車だけど新品同様(メーター5,000㎞だった)のをかなりお得にGETしたのだった。
これって縁なのか、前回も今回も第一印象で「この子に決めた」と思ってから全くぶれなかった。

明日が納車なので、新しい相棒と楽しいカーライフを送る。
10年以上乗った車を見送るのは少し寂しさもあったけれど、「長い間お世話になりました、ありがとう」と撫でてお別れした。

1月は車関連で忙しく、12月の文学フリマで一時的な燃え尽き状態になったこともあって全く筆を執れていない。
その代わりやたらと本を読んだ。年末から読んだのがこちら。

・キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン/長月天音
・酒食生活/山口瞳
・高峰秀子ベストエッセイ/高峰秀子
・カーテンコール/加納朋子
・蜻蛉日記/藤原道綱母
・にごりえ/樋口一葉
以上敬称略。今読んでいるのは「みんな酒場で大きくなった/太田和彦」こちらは豆千さんのお店で出会った本。

以上は移動中や職場の昼休みで読んだのだが、持ち歩くには分厚過ぎて家で読んでいるのが「小右記/藤原実資」。
昨年の大河ドラマ「光る君へ」は散々ツッコミながらも完走した。
劇中、源氏物語に実際あるシーンが匂わされると「ふふっ」とほくそ笑んだりして楽しんでいたが、個人的には歴史のおさらいにもなった。
大学で源氏物語を専攻していました、というのも恥ずかしいほど歴史的なことについては大方忘れており(ちゃんと覚えきれていなかったともいう)学び直しをしてみたくなったのだ。
そこで小右記。実資が長生きして事細かに当時のことを残していたからこそ後世に伝わったことはあまりに多いだろう。
追々、「大鏡」や「御堂関白記」も読むつもりだが、藤原実資に興味を持ったきっかけは間違いなくロバート秋山氏の名演・怪演だ。
最初は胡散臭さを纏っていたように見えたが、公正で中立なところ、時折見せる人間っぽさ、そして演者ならではの妙な存在感。
刀伊の入寇のくだりで現場で戦った人間を思いやるところ、そしてそれを無視する中央の人間に対する憤りは「理想の上司」そのもの。
道長と行成がみまかったことを記した後で流れた涙は特に印象的。

いや、わたし一条天皇推しだったんだけど(中の人含め)実資がすっかり推しキャラになってしまった感が。
それにしても実資は道綱に関しては「名前くらいしか書けない」「給料泥棒」などとかなり辛辣。
道綱母の「蜻蛉日記」と並行して読むとなかなか面白く、道綱は母に溺愛されていたのがわかる。
とはいえ、道綱母は今でいうところの「恋愛依存ヤンデレ」状態。自分の才覚を息子に伝えるどころではなかったのかな、とも。

なんだかダラダラ書いてしまったけれど、だいぶ落ち着いたのでそろそろ創作活動に切り替えていこう。





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南城さいき
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