目的地は、杵築市の大田地域。旧大田村の風土と人の結びつきが色濃く残る山村
12月11日、市のコミュニティ創生課が主催する「考える会」の研修旅行が行われました。島からの参加者は14名。研修の目的は、地域づくりの視野を広げ、私たちの活動に生かしていくこと。
目的地は、杵築市の大田地域。旧大田村の風土と人の結びつきが色濃く残る山村です。人口は、約1100人。ここに「大田ふるさとづくり協議会」という住民組織があります。その活動の中身を知るにつれ、どんなことでもやればできる、気持ちとやり方次第でゴールにたどりつける、そう励まされるようでした。
代表的な二例を紹介します。
あんしん生活応援隊
「大田は住みやすいふるさとか」そんな問いかけから生まれたのが、「あんしん生活応援隊」です。民生委員6名を含む約20名がチームを作り、高齢者宅を一軒一軒訪問し、じっくり腰をおろして話を聞く、相当な時間と労力を要する見守り事業です。
もし気になる情報があれば、それを隊員と社協が共有し、そこから新たなサービスにつなげていきます。さらに、水道やガスの検針、郵便や新聞の配達などの業者がネットワークを作り、地域ぐるみで異変に気付く仕組みを作り上げています。
存続の危ぶまれるガソリンスタンドを住民の手で
この地域の取り組みを一躍有名にしたのは、存続が危うくなったガソリンスタンドを住民の手で守り抜いたことです。TVの全国放送でも取り上げられました。
まず、この問題が地域にとって重大であるという認識を共有することから始まりました。そして、役員会や理事会で出された結論は、協議会を主体とする会社を作り、スタンドを自主運営することでした。
現実は甘くはなく、資金や危険物の取扱いといった難題もありましたが、なんとか初志を貫き徹しました。資金については、ふるさと納税を利用し、800万円もの支援が全国から寄せられました。
今回の研修を振り返って
「百聞は一見にしかず」の言葉通り、現地まで足を運んだかいがありました。リーダーたちの明るさ、横のつながり、部会や委員会といった仕組み、既存のものを変えるだけの力、発想の柔らかさ、あきらめないでやり遂げる粘り腰、若い年代に呼びかける努力・・・いつか、もう一度うかがう機会があれば、さらに何かを発見できそうな気がします。
追伸 女優の財前直美さんが大田の出身で、ふるさと愛から協力を惜しまないとのこと。大事な情報を忘れるところでした。危ない、危ない。
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