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涙が乾くように、風になりたい


スズメはいつも彼女のことを見ていた


同じ時間に同じ格好で
海が見える駅に座っている
少しして友達がやってくる
 
一時間に1本くる電車を待つ
二人は笑いながら本を読んで
お菓子を食べる
たまにパンを僕たちにくれる
いい奴だ
だから俺の歌を聞かせてやるんだ
二人はいつも喜んでる
 
とっても寒い日の朝
いつも通り彼女がくる
少しして友達がやってきた
だけど二人は無言のまま座り
無言のまま電車を待った
 
時折話しながら下を向く
電車が来たけど彼女は乗らない
友達だけ乗って二人は泣いている
 
何をしているのかわからないけど
電車を見送ったまま泣いている
悲しみだけは伝わった
 
さっき友達に渡された石のお守りを
太陽にかざしている
美しい緑色が涙に反射した
小さな鳴き声は空へと消える
 
俺に気づいてパンをくれた
やっぱいい奴だ
 
だから俺が
涙が乾くように
風になってやる
頬を撫でてやる
心が晴れるように
いつもの歌を歌ってやる
 
パンをくれるいい奴だからな。
 
涙が乾くまで
風になってやるよ
そしたらまた笑って喜んでくれるだろ?

物語について

私はハンドメイドアクセサリー作家です
天然石を使って
物語とアクセサリーを繋げます

この物語はまだアクセサリーを作っていません
面白い物語が出来たのでnoteにて発表会ですw

写真は愛媛県松山市にある梅津寺(ばいしんじ)の駅の写真を撮ってきました
海にある駅です

私が物語を考えるときは天然石をもとに考えます
今回は、物語で出てくる
”友達がくれたお守りの石”です
物語には何の石かは書かれていませんが、緑色の美しい石ですね
涙に反射するところがエモくて好きです
クロムダイオプサイトという深く鮮やかな緑色の石にしようと考えています
まだ仕入れていませんが、そこまでは決定しています^^
後は仕入れて作るだけ♪

この物語の最後は寒い日の朝の話しです
一時間に一本の電車なのでまだそれでも午前中の話しですね。
だから、彼女が太陽にお守りをかざすときは午前中の光です
夕焼けではないので緑色だけを拾って涙に反射します
美しいですね(アラフォーの想像の世界w)

解説

この物語は、スズメが主人公です

どこか田舎の海が見える無人駅でのお話し。
友情のお話しかとおもいきや
スズメが少女に寄り添ってくれる優しいお話です

スズメは人間の内情はわかりませんが
悲しんでいるんだということはわかるんですね
※もしかしたら、仲間や家族に悲しいことが起こってその気持ちが嫌いだからそうならないようにしたいだけかもしれないし・・・。
それはいろんな方の解釈で楽しめたらいいなと思ってます
ぜひ教えてほしいです(*‘∀‘)

そんな悲しい気持ちの時はスズメなりの励まし方をする
この人間はパンをくれるいい奴って知ってるからね^^
歌って喜ばせたいもんね。

物語を作るとき

私が物語を書くときに大切にしていることは
希望となることです

SAI JEWELRYとしては
読んで
飾って
身に着けて
楽しめるものを作りたい!

勿論読んでいただけるだけでもうれしいです♪
儚くて美しいものが好きだから
でもネガティブなのは私の精神が持っていかれてしまう気がして
苦手です

美しい思い出にしたり
楽しい笑い話にしたり
儚い気持ちになったり
ワクワクしたり
そういう気持ちを大切にしています

また明日も頑張ろって思えていただけるような物語を好んでいます♡

ではまた、アクセサリーを作る前にnoteで物語を載せていきます^^


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SAI - 青の世界と物語
儚く/美しく/繊細で/生きる/葛藤/幻想的で/勇敢な 詩や物語を作る糧となります