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恋の形

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実る恋  実らない恋 交わる恋  交わらない恋 どの恋も正解はなくて どれも素晴らしい ちょっと人にやさしくできないとき 読んでもらいたいお話しまとめてみました
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記事一覧

森のバレンタインーウサギの想いよ届けー

青い夜の森に、やさしい星の光が降りそそぐ。 今日はバレンタイン。だけど、ウサギはそわそわしていた。 「オオカミさんにチョコを渡したいけど……やっぱり無理かも。」 ふわふわの耳をぺたんと伏せ、もじもじとチョコを抱えたまま、 ウサギは森の奥に向かった。 そんな二人をじっと見ていた影がひとつ。 高い木の枝の上で、カラスがニヤリとくちばしを鳴らす。 「ふふん、これはオレの出番だな。」 ウサギはオオカミにチョコを渡したいけど、恥ずかしくってなかなかできない。オオカミも照れちゃ

好きな色

君の好きな色は何? そういうと君の瞳は少し宙を彷徨う。 「青かな、空の青。」 君がそう答えた日、 僕はその青を探し始めた。 昼間の明るい空の青、 夕暮れに消えかける淡い青、 海底に閉じ込められた深い青。 どれも君の言う青のようで、 君の青ではない。 君の色が少しずつ変わるのを知る。 「今日は緑かもしれない。」 「昨日の夕焼け、綺麗だったよ。」 変わる君の好きな色は 君自身を映しているようで その感覚がスキ だから僕はこう思うんだ、 君が選ぶどんな色も、 それが君の好

何拍子

心地よい君のその声が 四拍子のように僕の鼓動と重なり 見えない音符が漂っていた だけどもう、どこを探しても見当たらない 四拍子を何度口ずさんでも 僕の三拍子の息遣いだけが 冷えた部屋で不協和音となっていく 君の紡ぐ言葉は、今でも四拍子だろうか それとも僕が知らないリズムを 遠い場所で奏でているのかもしれない 今、君は何拍子で言葉を紡いでいるのだろう 遠い世界で、君は歌うように言葉を紡ぎ その響きは僕の知らない旋律となる 僕の心はまだ君の四拍子を刻みながら 途切れた音の

Re:はなうた

毎分変わる君の感情 はなうた交じりのご機嫌が 空気に色を添えるように 花を咲かせてゆく 晴れ模様のときもあれば 雨音のようなリズムを刻むときもある そのどちらも愛おしくて 僕は耳を傾けてしまう 感情に忙しい君の まゆげ、眉尻、口元が かわるがわる踊るたび 僕の心も揺れてしまう 君が紡ぐ声の波は 目に見えない虹のように広がり 僕の世界にまで届く 知らぬ間に心の奥に根を張り 小さな花が咲く 君の感情が空に浮かぶ その瞬間、瞬間が 僕の世界をそっと 彩りで包んでゆく あと

ショート動画作ってるよ(''ω'')ノ

やたら私の中で赤いものが気になるんです。 クリスマスが近いからかしら。 今回作ったショート動画も2本連続で赤が差し色になってます。 なんでかなー。可愛いなー、赤色( *´艸`) よかったらぜひ見てくださいショートなのでめっちゃ短いです(*ノωノ) あめなみだ 約束を破って降る雨は、私の心を洗ってくれた さぁ、前へ進め私。 失恋のお話。 (''ω'')ノ 心は私のモノなのに 私を傷つける 心の在り方のお話。

いつまでも夢中でいたい

結末が知りたくて だけど知りたくなくて このままでもいいかなって思うんだけど 終わらせたくないから この気持ちを、この想いを。 物語の中で、 私を包み込む言葉たちが、 夢のように浮かんでは消えて、 終わりのない時を求めている。 心の中で、 ずっと続くこの瞬間を抱きしめて、 ページをめくる手が、ためらう。 もしも最後を見てしまったら、 私の心の中のこの感情が、 消えてしまうのではないかと、 もったいなく感じてしまう。 だから、 クライマックスは、 まるで恋の終わりのよう

天邪鬼に花が咲く

彼女は言葉に詰まっていた。目を伏せ、手をきゅっと握りしめ、何かを言おうとするたびに口を閉じてしまう。 「また黙ってるのか?」 うまく言葉にできない彼女をしり目に、彼はもてあそぶように笑ってる。 彼女はうつむいたまま、小さくため息をつくばかりだった。 「…うるさいな」 ようやく絞り出した渾身の一言。 言わせたくて仕方ない彼は、いつものようにいじわるを口にしようとしたが、なぜか言葉が出てこなかった。 「…君の声の、ヘルツが好き…」 「君のキャッツアイみたいな瞳も、好き

ねつ

こもる熱を吐き出せなくて 静かに布団に潜り込む 言葉も胸の中で くすぶっているけど 外には出ていかない 温もりは安心のようで でも息が詰まりそうな夜 電話越しに響く、あなたの声 最後に伝えたいことがあったのに 胸が熱くなって、言葉が詰まってしまった あとがき 私、年中眠たいのですが眠たくなると手足が温かくなります。 限界超えると仮眠しないと動けないくらい眠くて。 先日も夜まで詩を作っていたら限界を迎えて思考停止になったんです。 その時の私の手足は温かくて体にこも

砂浜に書いた字は波に消された

夏に見つけた小さな貝殻は 手のひらで僕の心を映す鏡のよう 今にも消えてしまいそうな夏の思い出を 映し出して、まるで僕を笑っている あの日、流木で紡いだ僕の気持ちは 波にさらわれ、砂に埋もれ 誰にも気づかれることなく ただ、淡い記憶となって消えていった それでも僕は貝殻を握りしめる 泣きそうな空と僕、その中で 僕は何を見つけるのだろう 消えた言葉の残響に耳を澄ませながら あとがき 気持ちを言葉で伝えたらいいんだろうけど うまく口に出来なくて 砂浜に書いてみたんだけど 読ん

君の空、僕の海

気持ちをものさしで計れたら、 きっと君と僕の距離は違うんだ。 愛を秤にかけても、 君と僕の重さは釣り合わないんだろう。 心の広さも、空の果てしなさも、海の深さも、 きっと誰も同じではないもの。 だからこそ、 君の空を飛ぶ風を、僕の海を流れる波を、 もっと感じてみたいんだ。 それでも君は、 ものさしで計っては嘆くかもしれない。 だけど、安心して。 計りきれない空に広がる雲のように、 量りきれない海に沈む深さのように、 僕は君の存在の奥行きを知っているから。 あとがき

名もない物語を生きる

この物語の結末をどうしようか ハッピーエンドになるのか ビターエンドになるのか 君とならどんな結末にしようか 「君」という登場人物が 僕に与える影響を考えたい 君だからあの結末にしたいって 僕だけがそう願っていたらごめんだけど 君が思う結末と僕が思う結末が もし一緒ならどれほど嬉しいだろう 君が僕を知ってくれたあの日から 僕の物語りはクライマックスで ハッピーエンドを探してる 君と出会う日までの物語が 全てあの日の為にあったのだから もし全てが夢だとしたら、どうか覚め

愛の毒

以前書いた「どく」という詩 少しだけリメイクして、ショート動画にしてみました イラストって変えるだけでイメージが変わるから面白い! この詩は、振り向いてくれない彼に毒を盛るように(比喩) 少しずつ彼に近づく少女を表現しています それだけ聞くと、小悪魔的な女の子をイメージするかもしれませんが、 私の中では健気な少女をイメージしていました(*'▽') みなさんはどうかな? こちらがショート動画です♪♪ ※最後まで見ると、彼女がどうなるかを表現していますのでぜひ、お楽しみください

季節外れのアジサイ

夏の太陽に負けてしまった君が 枯れて儚く散りそうだ 梅雨からずっと咲き誇っていた君の 生命が尽きた瞬間か 夏の暑さのせいなのか 僕の怠慢なせいなのか ただ本当に終わったのか 梅雨が好きだった君はあまりの夏の暑さに 生きる希望を失いかけては まばゆい太陽を睨みつけ、怒って 変わらない環境に愚痴を重ねて。 進むべき道はいろいろあっただろう どうすればよかったのかなんて結果論だ まだ大丈夫だろうと めんどくさくて君の生命力を盾にして ほっていたのは僕なんだから。 今更後悔し

消える、夕空

昨日まであんなに輝いていた 君の笑顔は、今は遠い夕空のようだ 夏の匂いとともに風が運ぶ、 あの時の笑い声も、汗ばむ手のひらも 全部、淡いオレンジに染まって溶けていく 夏の夕空を見て、寂しく感じた 昨日始まったような夏が もう終わってしまいそうだから 君の笑顔は夏の青い空のようで 君の優しさはまるで白い雲 僕はその空が好きだった 秋が近づく夕空を見ると 君の笑顔が消えていくようで 少し苦しいな 夕空が消えるたびに、僕は焦がれる 消えゆく空の彼方には、 もう手の届かない思