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「生物写真撮影」の趣味からクジラ、ダイビングへと広がった話

 ダイビングを始めるきっかけの話です。

撮影中のくらげねこ


 30歳を目の前にしたある年のこと。
この頃、生き物の写真を撮ることを、趣味……というか、もはやライフワークにしていたが、その中で、私は小笠原のザトウクジラにたどり着いていた。

 そこでお世話になったのが、とあるダイビングショップ。
当時は、小笠原もまだ世界自然遺産になっておらず、アクセスの悪さもあり、お客さんもさほど多くない状況だった。この時代はいつもおがまるの定員の半分くらいのお客の入りだった気がする。船のチケットも当日で買えた。
島に着いた当日に分かったのだが、なんとお客さんがたまたま誰もおらずウォッチング船一艘、完全貸切であった。ペンションも自分ひとりだけ。

 そこで、信じられない体験をする。
貸切の船に揺られながら、朝からサンセットタイムまで、ずっとザトウクジラのブリーチ。子どもが跳ねて、親が跳ねて、エスコートが跳ねる。
入れ替わりで別の親子がジャンプ、奇跡のような時間だった。



 夜の打ち上げの時、船長が撮った水中動画を見ながら、「次に来るときはCカードとってきな」と言われ、帰宅後、ひと月もしないうちにまんまとダイビングデビューを果たす。

僕たちの惑星
群青



 ダイビングは目的ではなく手段に近い
昆虫からクジラまで、特にジャンルにこだわることなく撮影してきたが、水中の魚やエビカニ、ウミウシなどは未開の地。
重たいタンクを背負って進出した海の世界は、素晴らしいものだった。

 私にとってダイビングは、生き物を見つける手段のひとつであると考えている。
時間と手間、お金をかけて、本来行くことができないところに行き、そこで活動する。
別の世界の住人に出会うため、勉強し腕を磨くのだ。
ダイビングで知り合った仲間とドルフィンスイムにも通い詰めた。
タンクのない水中世界も身軽でスピーディで楽しい世界だった。
なんといっても、イルカの絵になること!

イルカはこちらをみている
子供を見せてくれることもある



ついに離島移住生活!
奄美大島の海で撮影三昧
いろいろな場所に遠征を繰り返しているうちに島への憧れが募り、結構軽いノリで鹿児島県の奄美大島に移住してしまった。
慣れない場所での生活はそれなりに大変だが、やればやったでなんとかなるもので、漁業関係の潜水士をしたり、大工のアシスタントをしたり、農家をしたり、フリーライターをしたりして、暮らしている。
夏はダイビング、冬はザトウクジラも回遊してくる。
見るものには困らない奄美大島、面白いところである。

たまには島においで

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