長崎市滞在-2023/1/20(最終日)
朝10:00。
昨日、オーナーのおばさまに退室の目安時間を伝えていたのだが、どこにも人がおらず、そのまま鍵を部屋に置いてチェックアウト。
初日と同じく雨だ。
昨日確認したイオンのコインロッカーに荷物を入れる。100円玉しか入れられないタイプなので、隣の自販機で水を買って小銭をつくることにした。ところが、1000円札を入れてしまったためお釣りで必要な百円玉が揃わず、もう一度飲み物を買うことに。アホである。
荷物を預け、すごい勢いでドリンクを片付けた。
15:44発のバスで空港に向かうので、それまで街の資料写真を撮ることにする。日に日にランタンフェスティバルの準備が進んでいて、赤い提灯だらけだ。
いつも行く海とは逆の道へ行ってみると、大きな商店街である浜町アーケードに着いた。何がどこにあるのか、やっとちゃんと理解しつつある。
長崎は野菜や果物が安い。袋いっぱいに持って帰りたくなった。鯨の工芸店や、ジュエリーショップ、雑貨屋などがあって面白く、普通にショッピングを楽しんでしまう。
長崎のデパート、浜屋へ。
百貨店が商店街の中にあるのが珍しく新鮮で、とりあえず全ての階を物色する。年配の人向けの洋服が多い。そういえば、長崎で若い女性に全然出会さなかったなと思った。
道なりに歩くと、鍛冶屋町の商店街に出た。
大学時代からお世話になっている作家の佳さんが、仕事で絵を描いたという着物レンタルの店「キモノホッペン」が近くにあるので、店の前まで行ってみる。
と、その時、初めての長崎さるくで水路の「えご」を探して訪れた崇福寺が見えた。記憶を探りながら進むと、えごの通る小径へ辿り着く。
さるくの時点では全く地理がわかっていなかったので、偶然来られたことと、意外に近かったことに驚いた。頭の中で、色々な場所が一気に繋がり始めて感動する。
そのまま適当に歩くと思案橋の交差点に出た。ここも、長崎さるくで来たところだ。
歩くうちに、夜のお店の並ぶ、柳小路通りに迷い込んでしまった。店は閉まっているのに、通り全体から普段接することのないオーラを感じる。足早に引き上げ、銅座橋に出た。
そろそろお昼時である。
オランダ坂まで戻り、ホテルニュータンダでランチを食べるか迷ったが、朝、長崎物産店で買った「五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー」を食べてお腹があまり空いていないので、ひとまず一昨日Kさんに案内してもらった日の出町へ行くことにした。
前回の記憶を辿りながら歩く。
狭い路地と古い住宅がぎっしり詰まっていて、魅力的なところだ。急な坂道と階段もたくさんある。嬉しくなって写真を撮った。
しばらく楽しんだ後、ホテルニュータンダへ。
日替わりのフレンチを注文した。
メインの他にパンとサラダ、ドリンクも付いて¥1000と、激安である。かなりおすすめだ。
13:00すぎに入ったからか、店内は落ち着いていて、年配のマダムやご夫婦がちらほらといるだけだった。個人的には、地元の食堂といった雰囲気のお店より、こちらのゆったりした空間の方が馴染み深いので、ほっとしながらランチをいただく。
パンが3切れもついていた。ウェイターさんが穏やかで心地良い。背筋を伸ばして食事を楽しむ。すっかりリラックスできた。
お会計の時にPayPayが使えるか聞いたら、「後、1ヶ月後くらいには使えるようになる予定でして…」と気さくに教えてくださる。ナチュラルな温かさに、ほっこりしながらレストランを後にした。
街中のランタンを眺めながら、ぼんやり歩く。
ランタンフェスティバルの日を避けて取材日程を組んだのは、ランタンのないノーマルな街の資料写真が欲しかったからなのだが、どうせこんなに前から準備がされていたなら、フェスティバルも見たかったなと思った。
ショッピングモールのyou meをひと回り。
最後に、田川憲さんのギャラリーSoubi'56へ向かった。
前回もお会いしたお孫さんの奥様が、顔を見て思い出してくださったようで、気さくにお話ししてくださる。
今回は書の展示で、個人所有の作品だそうだ。薄墨で書かれた、啄木とリルケの詩だった。北海道をモチーフにした詩だが、長崎に重なる部分もあるとのこと。
お土産にポストカードを購入すると「おまけです」と、個展をする予定である東山手甲十三番館を描いた作品のポストカードをいただいた。昨日も山下南風美術館でプレゼントをしてもらったことを思い出し恐縮したが、ありがたく大事に持って帰る。
15:44 新地中華街前 発のバスで、長崎空港へ。
搭乗手続きは前回で慣れており、スムーズに終わった。ちょうど待合場所のコンセントが空いたので、スマホを充電させてもらう。
17:40の飛行機で伊丹に。
機内で妙に楽しそうな音楽が流れていて、4回目の搭乗だというのに脳内では「逆に怖い!!」と大騒ぎフェスティバルが開催されていた。
天候が悪くずっと揺れていたものの、無事着いてほっとする。
次回の来崎は、個展をする時だ。それまで少しずつ、心身に長崎が溶け込んでくれればいいなと思う。
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