春~初夏の葉物としてみた時、「春白菜」は割りといけるものかもしれない他
僕の知り合いで行政がやっている農業塾を出た人がいます。
この人は、一時期、新規就農を目指していましたが、結局、辞めてしまいました。
まだ、「やる気まんまん」だった頃、僕も協力してほしいと言われて、この人が作った野菜を地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットで販売していました。
その時、この人が作っていたものの中に「春白菜」がありました。
白菜は春まきすると、十分に結球する前に花を咲かせてしまいます。
6月頃、花を咲かせた白菜をみて、この人は「やっぱり白菜は冬に限るなぁ。春まきだとちゃんと玉をまかない」
これを聞いて以来、僕も白菜は秋冬のものと考えてきました。今年、たまたま、「勘違い」して、チンゲン菜の種をまいたつもりでいたら、白菜の種だったと言う形で春白菜の種をまいてしまいました。
実は昨年までにも、何度か山東菜やシロナ等、「非結球性」、つまり、玉をまかないタイプの「漬け菜」を春まきした事があります。
5-6月に採れる葉物として考えた場合、これらの非結球性漬け菜はけっこう「いける」と思いました。
「漬け菜」と言う呼び名の通り、これらの野菜は伝統的には「漬物」用に作られていたと思います。
ただ、オヒタシで食べる小松菜のような葉物は、今は敬遠されることが多くなっています。
地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットで「うちの子は葉物は食べないから入れないで下さい」の「葉物」は事実上、小松菜を意味している事が多いです。
「ホウレン草は大丈夫ですか?」、「大丈夫です。」、
「チンゲン菜は食べますか?」、「食べます」
と一つ一つ野菜の名前を挙げて聞いていくと、
「葉物」で食べないのは「小松菜」だと言う事が分かります。
落語や近松門左衛門の作品に出てくる野菜についての表現を追っていくと、「小松菜」のような「青菜」を茹でてオヒタシにして食べる文化は、江戸時代中期前半、綱吉さんから吉宗さん時代頃に登場してきたようです。
ただ、当時から「青臭さ」を敬遠する人はいたようです。
今、日本人の食生活は、大きく変わり、江戸時代にはなかった「肉食」や「乳製品」消費が増えています。
また、「青臭さ」を敬遠する人もかなりいるようです。山東菜やシロナなどの「漬け菜」はその青臭さがなく、煮物や炒めものでも食べられる、もちろん、オヒタシにしてもいけます。
この間、カブのマリネ・・・お酢とオリーブ油、スパイスで味付けするををマルシェで試食提供して好評でした。
その後、春白菜やタケノコ白菜と呼ばれる中国風の「紹菜」もオヒタシにしてからスパイスで味付けしてみるのをやってみていますが、けっこういけます。
こうやって考えていくと、青臭さのない非結球性葉物野菜・・・広い意味で白菜的な「『白身』が多くて『淡白な』味の野菜」は、現代日本人の食生活に合うように思われます。
そう考えていくと、結球しない春白菜もけっこういける・・・
もしかすると、白菜は結球するもので、漬物やお鍋にするものだと言う考え自体が、「固定観念」かもしれません。
そうではなくて、現代日本人には、「白身」が多くて淡白な野菜の方が好まれるし、そういう野菜は特に結球している必要はない、結球する秋冬白菜の方が例外で「たまたま」結球するように育っているに過ぎない・・・
と考えた方が妥当なのかもしれません。
と言うわけで「結球しない春白菜」は、4月、5月、6月の葉物としてけっこう「イケる」と思うわけです。
2週間予報は、6/11以降、最高気温29℃の日が続くとしています。
真夏日一歩手前の状態が続くようです。
5月中にセスバニアやソルゴーなどの緑肥作物の種まきをしたかったのですが、6月にずれ込みました。